![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112813561/rectangle_large_type_2_aad97723c5cd037d6668f26a2f25ec37.jpg?width=800)
【楽器製作】OMタイプギターの製作⑥(サイド材の曲げ加工)
トップとバックのブックマッチが出来たので、次はサイド材の曲げ加工に進みます。
実はOMタイプのボディシェイプって、複数の半径の円弧と直線だけで構成されています。なのでカーブの変化する所にマーキングしてそれを基準に曲げると良いらしい。
曲げ加工ですが、先に製材していた長さ813mm、幅101.6mm、厚さ2.4mmの板2枚を
サイド材に曲げ基準位置をマーキング
材に水をスプレーして湿らせる
ベンディングアイロンを180℃に設定
基準位置を目安にアイロンで曲げる
モールドに添わせズレを確認
ズレを曲げて微修正
モールドで拘束し、形を馴染ませる
こんな流れで加工していきます。
まずはコレがないと始まらない、ベンディングアイロンを購入製作します。
赤貧DIYerならではの衝撃的な低コストを実現、コレは全プライベータに紹介したい銘品です。
実はアイロンがあって、曲げやすい木を使うと曲げ木はさほど難しくはないです。焦らずアイロンに木を添わせて熱を加えると、へにゃあって曲がっていきます。木材のヘミセルロースとリグニンは吸湿するとガラス転移温度が100℃以下に低下するので、水分を含ませて適温に加熱するとへにゃあってなる原理。なので曲げの最中に熱で乾いた時はスプレーで材に水を吹くといいです。
板の端は幅広口のバイスプライヤで挟むと曲げやすくなります。やけどしないし力も入れ易い。曲げる時は基準線に対して少し前の位置から温めると接線部分からスっと曲がります。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112814552/picture_pc_66441f29c41b73cf4552297d82c22278.jpg?width=800)
乾き具合でどう熱を加えてるか分かりますよね?
目見当で曲げたらモールドに入れてみる。案外それっぽくは曲がっています。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112814562/picture_pc_c10847f4eab2242bbabe45beca3940c2.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112814564/picture_pc_e37b0e59bc475c73ffbf8f892c3f4d22.png?width=800)
微修正してそこそこ倣ってきたらFクランプで仮固定します。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112814563/picture_pc_60bfaaeabcb0f960483507b6448bdae9.png?width=800)
反対側も同じ様に曲げ加工、微修正の時にアイロンで木を焦がさない様に水を吹きながら作業していきます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112815735/picture_pc_943e2ed8ee6f21bd5a200ad415b7be65.png?width=800)
この状態でモールドに添わせて一週間放置。セルロースとリグニンがしっかり硬化するのを待ちます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112816129/picture_pc_bc1c2936fb11fdd6b1c6a3035edb350f.jpg?width=800)
乾いたらこの通り。イイ感じに曲がっています。
ココから更に馴染ませるために、モールドの中子を作ります。内側から押し付けて型に正確に添わせる作戦です。
工房に転がる端材を適当に切り出し中子を作成、
モールドに添う様に整形していきます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112815937/picture_pc_0cfbc606ba1883f9a1c8f0359967146a.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112815938/picture_pc_6d5bd8e21a0805026b4476dfe8be58f5.jpg?width=800)
次に内側でつっかえ棒する為にM10の寸切りボルトを適当な長さへカット。中子へも穴を開けておきます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112815939/picture_pc_2cbb194d52ae45f75460835d65f91a86.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112815951/picture_pc_ac3e14b17f014c97d1a7ef10c47743bc.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112815941/picture_pc_57e33155c8d80d9979836e8ceb86150d.jpg?width=800)
中子がモールドにピッタリ合わさっていい感じ。ココへサイド材を差し込んで、暫くの間モールドと密着させておきます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112815945/picture_pc_c73aad100cb802d541725d6fb875d132.png?width=800)
サイド材の曲げ加工はコレで出来上がり、身構えていましたが意外とどうにかなるものですね。
流石はヴィダ〇サスーン、舶来モノは違う!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?