見出し画像

【随筆】湯治へ

秋の三連休、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。ぼくはというと、先日から利き腕の左腕と肩の筋肉痛が酷くて最早製作を楽しむのも苦行となる始末。これはもう自然の恵みからエネルギーを得るしかありません。

思い立ったら即行動です。目指すは世界遺産にも登録された日本最古の温泉、湯の峰温泉。発見から既に1600年以上の歴史を持つ最強の温泉に浸って身体を癒す事にします。

決行は三連休なか日の日曜日、朝からウチを出てひたすらに下道で目的地を目指します。

距離にして約200km

我が家から3時間ちょっと南に進めば着いちゃうんだからいいドライブだろな、と出発時には思ってたんです。

忘れてましたね、この辺りの道が酷道って事を。独り身で行ったので軽バンだったのが救い、カミさんのクルマで来てたら運転だけで肩凝っちゃったと思います。

そんなこんなで国道168号をひた走っていると途中にヤバめな吊り橋が。

そう、谷瀬の吊り橋
コレは正直チ〇寒
あかーん

怖いもの見たさで渡ってみたらやっぱり怖い。腰が引けてガクガクになりながらどうにか往復、いい息抜きになりました。

冷や汗流したら温泉までまっしぐら。道中世界遺産だらけなのですが目もくれずに温泉へと向かいます。

この雰囲気、アガります
目指す世界遺産、つぼ湯

つぼ湯に入るには事前にチケットを購入する必要があるのですが、向かった受付には無情にも「受付中止中」の看板が。
聞くと既に多くの人が申し込んでいるので今日は受付していないって。コレは悲しい。まぁ源泉は同じなので、公衆浴場のくすり湯に入ることに。

浴場に入るとなんとそこは貸し切り状態、コレは思いっきり楽しめそう。このくすり湯、元90℃の源泉を冷ましそのまま希釈せずに溜めているらしく効能を全身で浴びる事が出来ます。

貸し切りうぇーい
石鹸は使っちゃダメです
効能はお墨付き

全身浸かっては上がり、身体を冷ましては浸かりを繰り返し、一時間以上ゆっくりと湯治します。とても身体に優しいお湯あたりで微かに香る硫黄臭を感じる位、この湯は実に入りやすい!

そして火照った身体を冷やしに散歩しようと外に出た時にふと受付を見ると、さっきの悲しい看板がなくなっています。お姉さんに聞くと、
「熱かったみたいで皆さん10分もせず上がって来てどんどん進んだんですよ、今入られてる方の次に入れますよ」だって。
コレはもう行くしかありません。

つぼ湯を上流の橋から見る
証明書貰っちゃった
コレを独り占め
最高かよ!

つぼ湯の横で待つこと10数分、前の方が上がってこられたのでスグに入ることが出来ました。一日に七回色が変わると言われるこの湯、写真の様に少し白みがかったエメラルドグリーン色。小屋の外は川なので、壁越しにせせらぎの音を聴きながらこの空間を独り占めです。確かに温度は激熱、諦めて横の蛇口を捻って水でうめ、適温にして30分の間じっくりとつぼ湯を楽しみます。

何処から温泉が湧いてるのかと岩をくり抜いた湯船を調べてたら、一番奥に熱いところが。手前側に浸かるので奥から熱せられる形になっているんですね。一人なら仰向けにぷかんと脚を伸ばして浮いていられるいい広さ。コレは一緒に入れるのは二人までかも。

世界遺産を満喫したあとは、たまごを買って湯筒へ。

野菜と卵を茹でる「湯筒」

90℃の源泉に漬けて作るゆで卵、コレはもう温泉たまごじゃない硬さだけど、温泉成分を含んだとても深い味わいを楽しめました。

いい感じにほぐれた身体で帰路へ。往復400kmのドライブでしたが温泉のおかげでとても身体は楽。そしてこれを書いてる今も、肩も腕もすっかり良くなっていい感じ。

いい気分転換でした。今度は家族と一緒に来たいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?