見出し画像

【アコギ修理】ブリッジ欠損ギターの再生 ②(分解と状態確認)

縁あってウチにきたPearlギター、まずは分解しつつ状態を見てみましょ。

2ヶ所だけ違うペグがお洒落ですね。過去の歴戦を物語っています。

塗りつぶされたネックにローズウッド感なサイドとバックがハイエンド感を演出しています。
折れて修復されたか元からこうなのか、今となっては知る由もなしですね。

ペグとトラスロッドカバーを外してみると日焼け跡がくっきりと。セクシーですね。

背面はホラーです、やだ怖い。

フレットはそれなりに残っていますね、当時モノで高さが激低です。ぼくに弾きこなせるんだろか(そもそも直る気がしないけど)。ポジションマークは今にもポロんと落ちてきそう。

次はこのギター最大のチャームポイント!
これぞハンドメイドの逸品。獰猛さを全身に纏ったこの凄味にぼくタジタジ。モダナイズされた構造で周囲に設けられた4本のビスが強固に弦振動を伝えるのです。

知らんけど。

見飽きたのでちゃっちゃと外そっと。裏からナット止めされていたのでスパナを掛けてビスを抜きます。

まだくっついてる。

隙間にスクレーパーを差し込んでみます。割れちゃったら元も子もないので差し込んだスクレーパーをヒートガンで熱していくと、

ポロって取れました、てか全然くっついてない。

このボディの日焼け跡を見る限り、元のブリッジは相当早い段階で取れちゃったんでしょうね。手作りブリッジの形に日焼けしています。

そして気付いちゃうんです。
元のブリッジ、塗装面に接着されてたんじゃね?ブリッジ下、全面に塗装残っていますね。

国産アコギ黎明期だからなのか、安物量販品に力入れる事が出来なかったのか。いずれにせよコレはどうにかせなあかん。

そして裏側のブリッジプレート。

絶望的な光景に涙が止まりません。
スプルースのブリッジプレートがピン穴の幅で深く割れ落ちて所々板厚1/3は欠損、そしてピン穴もボロボロ。更にプレートが弦のテンションで上に凸に曲がっています。つまりトップ板のブリッジピン穴付近がブリッジプレートごと曲がって凸になってる。

どうしよコレ、直せる気がしない。

ブリッジ張り替えるだけかと思ってたらエライ事になってしまいました。

匙を投げたくなる気持ちで既に胸いっぱいですが、できることから手を付けて行きましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?