しどりゅーの退団のこと、思うこと

正直、退団発表があった時、私の中で退団が信じられない人ナンバーワンだった。大劇場の千秋楽を目前にした今の時点でも、正直しどりゅーの退団に対して、まだ私は覚悟が出来ていない。

星組から組替えして、まだ4年。あるいは、もう4年。星組の王子様はもっともっと宙組を支えてくれる、そう思っていた。私が宝塚ファンになった時から、星のホープの王子様だった。エンタテの王子様、New Wave!-星-のキラキラしどりゅー、こうもりの新公、食聖のディレクターさん、ブケタカのせおしどぴートリオの銀橋ソング、オシャンティのダークな役…
組替えが決まった2019年、正直かなり寂しかったけど、ロクモの凪七さんの最高なアドリブで星組から沢山の愛を受けて見送られて、翌年アナスタシアで今までと変わらないキラキラ笑顔に出会えてほっとしたし、宙組のロイヤル・スタイリッシュな空気感がしどりゅーの持ち味と合っていて、組替えして良かったのかなとも思った。

いつもだったら、退団発表受けても頑張って割り切って、「○○さんの決めたことだから…」って無理矢理にでも思えるのに、退団発表のあの日から今日までずっと、青天の霹靂状態。退団者独特の煌めきは確かにあるんだけど、それでもまだ退団を信じられなくて、ずっと宝塚に居てくれるってまだ心のどこかで思ってる。
でもムラmy楽でオペラ外して全体を観て退団者の皆様を目に焼き付けようとした時に、群舞のスター路線男役達がジャケットを顔に引き寄せたりジャケット肩まで脱いでまた羽織り直すあの振り付けのところで、凄く凄くザ・スターなしどりゅーを見てしまって、いつの間にか若手からこんなに凄いスターさんになっていたしどりゅーを知って、胸が押しつぶされそうな気持ちになった。悲しいとか、嬉しい、とかじゃない、なんかよくわからない気持ち。でも絶対暗い気持ちではないことだけはわかる。なんというか、「もっと見ていたかった」とも近いようで違うような気もする。「この人がいなくなることが惜しい」がいちばん近いのかな…

また1人、星組出身者が卒業していく…っていう寂しさもあるけど、しどりゅーが卒業していくそのこと自体にただならぬ重みがあって、昇華しきれない。
お芝居上手で、空気を締めてくれる力があって、ロイヤルで、歌もうまくて、絵も文章も本当に素敵で、何より優しすぎる心の持ち主のしどりゅー。忘れられないしどりゅーのえと文(うたかたの恋の時の)、神すぎる組レポの数々、心の優しさが伝わるあたたかいイラスト、も何かと思い出しては幸せになる。
きっと想像もつかないくらい大変なことだらけだったろうけど、すごく今幸せそうに舞台に立つしどりゅーが本当に心から愛おしい。

MAKAZEIZM見に行ったときに、何故かわからないけど、しどりゅーを見なきゃ後悔する、と思った。ある意味虫の知らせだったのかな。

退団の挨拶を見るのが怖い。サヨナラショーに立つしどりゅーを見るのも怖い。退団という現実が怖い。そんなこと言ってたって時間だけはどんどん先に進んでいく。退団しないで、辞めないで、なんて軽々しく言ってしまったり書いてしまったりしたら、しどりゅーが決めたことを否定してしまいそうな気がして、でもわかってるけどここでは吐き出したかった。寂しい。素直に寂しい。笑顔で見送るって決めたのに、大劇場の最後の観劇でも泣いてしまってごめんなさい。

東京公演こそ、笑顔で見送りたい。しどりゅーの進む道を、明るく見届けたい。
実は、退団後のしどりゅーのことも密かに楽しみに思う気持ちもある。でも、やっぱり現実が目の前にある今、寂しい気持ちが勝ってしまっている。泣き笑いでもいい。しどりゅーのこと、タカラジェンヌ最後の日まで明るく見守っていきたい。誰目線って感じだけど。

私の青春を彩った大切なスターさんへ。大好きです。舞台のあなたに出会えて良かった。今まで本当にありがとうございました。あなたが居てくれたから、「好き」がもっともっと増えた。その笑顔もその優しさも、その力強さも、絶対忘れない。

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