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第8節 FC町田ゼルビア戦

 こんにちは、私です。
 町田現地観戦でした。雨の中、手がかじかみながら横断幕掲出をした自分を褒めたい!屋根付きは偉大!!フクアリは偉大!!!皆さんも雨の中での応援お疲れさまでした。でもあんな雨、秋田に比べれば全然マシですよね?
 試合は1-1の引き分けでしたが、2位の町田相手に多くのチャンスを作りましたし、内容はジェフが優勢だったと思います。勝ちたかった。

J2リーグ 第8節
FC町田ゼルビア 1-1 ジェフユナイテッド千葉

スタメン

・試合経過

 ジェフは前節からスタメン、ベンチともにメンバー変更なし。
 前半序盤はジェフがやや優勢に試合を進めます。11分に風間がポケット侵入をし、クロスをあげ、ソロモンが合わせますが相手GKに止められてしまいます。28分にはクロスのこぼれ球を風間がシュートを放ちますが惜しくも枠外へ。決定的なチャンスを作りますが、決めることができません。前半途中からプレスを掻い潜られてしまうシーンが増え、町田が押し込み、ジェフが構える展開となります。V・アラウージョが思ったよりポストプレーが上手くてとても厄介でした。町田前線の層厚過ぎでしょ。(笑)前半はスコアレスで折り返します。
 後半は町田の運動量が落ち、ジェフは新潟戦のように途中から推進力のある選手を投入したことからジェフが押し込む展開が続きます。61分に高木、見木とボックス内で連続してシュートを放ちますが相手GK、DFに防がれてしまいます。69分には福満が裏に抜けだしクロスを入れますが、誰も合わせることができません。決めきることができない中、77分に町田に先制点を許してしまいます。高江がサイドチェンジをして奥山が落とすと、平戸がクロスをあげて、入ったばかりの長谷川が頭で合わせて1-0とします。この失点は相手の崩しがパーフェクトでした。修正点を挙げるとするならば、サウダーニャの高江に対する寄せ、見木のポジショニングですかね。ジェフは町田に決定的なチャンスを作らせていませんでしたが、このシーンは綺麗にやられてしまいました。
 しかし、80分にジェフが追いつきます。田口のコーナーキックをミンギュが合わせて同点とします。これでこれまでの得点の半分がCBによるものとなりました。セットプレーが得点源として機能しているのはめちゃくちゃ良いですね。
 このまま1-1で試合終了となりました。

・改善傾向のサイド攻撃とリサイクル旋回

 新潟戦のレビューでは右サイドの繋ぎに停滞感があると書きましたが、この試合では流動性が生まれて多くのチャンスを作りました。

11分

 11分のシーン、右サイドで繋いで風間がポケットに侵入、クロスをあげ、最後はソロモンが合わせますが、相手GKに止められてしまいます。
 このシーンでは熊谷がキープして相手CBを釣りだし、空いたスペースを風間が突くといった連動した動きで崩すことができていました。

28分

 28分には右サイドで流動的に動き、ボール繋いで福満が抜け出しクロスを上げると、こぼれ球に風間が反応しますがシュートは枠外へ外れてしまいました。
 右サイドの新井一耀、福満、風間でローテーションしながら深さを取ることができました。ローテーション(旋回)をしながらの攻撃は左サイドでもあったと思います。

 このような動きを「リサイクル旋回」と呼ぶそうです。

 記事に書かれているポジションのバランスを崩さないというルールから、ジェフが完璧なポジショナルプレー、リサイクル旋回ができているとは思いませんが、このローテーション攻撃はサイドでの攻撃を活性化させていました。

59分

 続いて59分のシーン。熊谷がサリーダして相手ボランチを釣りだして、そのスペースに高木が入ってボールを受けます。高木→見木→高木と繋いで左サイドの秋山にボールが渡りクロスを上げますが、キーパーにキャッチされてしまいます。
 熊谷のサリーダの判断が良かったと思います。この前のシーンでミンギュと鈴木大輔に対して相手の2トップのV・アラウージョ、安井がプレスをかけてきました。新井一耀は左SHの平戸にマークされていたのでハマりやすい状況でした。ここで熊谷がサリーダすることで最終ラインで数的優位を作ることができました。相手ボランチの高江がプレスをかけてきましたが、高木がその空いたスペースで受けることでチャンスを作ることができました。

61分

 サイドの61分のシーンです。見木がボランチ裏で受けて運び、サイドの福満へ。マイナスのクロスを高木、見木と連続でシュートを放ちますが、ゴールとはなりませんでした。
 ここでもボランチ裏で受けることができ、素早い展開を作ることができました。この時間帯は町田が間延びしていて、ボランチ裏が空くことが多かったと思います。この時間帯に得点が欲しかったですね。

・ボランチ2人がサイドに寄るビルドアップ

 皆さんもお気づきかと思いますが、ボランチの田口と熊谷2人がサイドに寄ってビルドアップを行うことが多いです。私はこのビルドアップのやり方には否定的です。ただ、このやり方にはメリットとデメリットの両方があると思います。

‣メリット①質的な優位と厚みが生まれる

 ボランチの田口と熊谷がサイドで風間福満か見木秋山とのビルドアップに絡むことで相手に質で優位性を取ることができます。技術力の高い選手が集まってビルドアップをするため狭いところでも打開することができます。また、熊谷はボランチの位置から飛び出したり流動的に動くことが多いため、攻撃に厚みを生むことができます。

‣メリット②即時奪回がしやすい

 サイドで密集を作っているため、ボールをロストしてもすぐに囲むことができ、即時奪回がしやすくなります。ボランチの2人は強度、読みともに素晴らしい能力を持っているため即時奪回を高確率で成功させることができます。

‣デメリット①中央に広大なスペースが生まれてしまう

 サイドに集まるのでロストして即時奪回ができなかった時に中央を使われて、カウンターを受けやすくなってしまいます。この試合では何度かボランチ裏や空いたスペースをV・アラウージョなどに使われるシーンがあり、このデメリットが目立ってしまった印象を受けました。カウンターを受けやすいということが、ボランチがサイドに寄ってビルドアップすることの懸念点です。

‣デメリット②中継地点が作れない

 ボランチ2人がサイドに寄ってしまうとサイドチェンジをするための中継地点が作れなくなってしまいます。ジェフはビルドアップで密集を作る傾向があるため、逆サイドに展開すると1vs1の状況が生まれ、チャンスを作ることができます。

 このようなチャンスを作るにはスムーズなサイドチェンジを行う必要がありますが、ボランチ2人が寄ることで同サイドから逆サイドを繋ぐ中央の中継地点を作れなくなってしまいます。そのため、難易度の高い同サイドから逆サイドへのロングフィードか素早いサイドチェンジができないCBを経由した方法しかサイドチェンジを行うことができなくなってしまいます。

‣デメリットを消す改善策

 前述した通り、この試合ではデメリット①の中央に広大なスペースが生まれてしまうという問題が目立ってしまいました。メリットを残し、デメリットを消す方法としてミンギュを攻撃時に1列前に置くということを考えました。

 ミンギュを少し高い位置に置くことで中央での潰し役、サイドチェンジの中継地点ができ、デメリットを解消することができると思います。
 ただし、ミンギュのビルドアップ能力にはまだまだ課題がありますし、この可変は相手の形や特徴によっては逆効果になることもあり、どの相手にも通じる形ではないですが、このような可変システムも選択肢の一つとして持っておいても良いのではないかなと思いました。
 
 ボランチ2人が寄るビルドアップのメリット、デメリットを紹介しましたが、中央を空けることはリスクが大きすぎると思います。ボランチ2人がサイドでのビルドアップに関わったことで攻撃に厚みが出ていたシーンもありましたが、ボランチの空けたスペースを誰もケアできていないシーンもありましたし、私は今のビルドアップのやり方は改善すべきだと考えました。

・先発はソロモン?サウダーニャ?

 新潟戦に続いてサウダーニャがソロモンと代わって途中から入り、攻撃を活性化させていました。一方でソロモンはここまでチャンスシーンが多くありながら得点は栃木戦の1点のみとなっていてやや不調気味です。
 どちらを先発で起用すべきかという意見をいくつか見ましたが、今と同じようにソロモン先発起用、サウダーニャ途中出場の起用法で戦うべきというのが私の考えです。
 サウダーニャは推進力があり、前を向いてのプレーは相手DFにとってとても脅威になると思います。ただ、判断力や周りとの攻守両方での連携や守備全般に関しては課題があります。実際に失点シーンもサウダーニャが守備で頑張るべきところだったかなと思います。
 ソロモンは決定力やボックス内での動き、判断力、前を向いた時のプレーに課題があります。11分のシーンも決めてほしかったシーンです。しかし、フィジカルを活かしたポストプレーや守備での貢献度が高いです。
 ジェフは組織的な守備が特徴のチームですが、ファーストディフェンダーの守備はとても重要です。FWが前から規制をかけることで相手を追い込み、ボールを奪いやすくなります。ソロモンは守備で頑張ることができ、周りとの守備での連携も良く、ファーストディフェンダーとして機能しています。攻撃面には物足りなさも感じますが、守備面を考えると先発はソロモンの方が良いと思います。
 しかし、レオンソも合流しましたし、ソロモンはこれから得点というところでも貢献度を高めないとスタメンは厳しいと思います。ユース出身の選手ですし、頑張ってほしいですね。

・最後に

 守備に関してあまり触れていませんでしたが、前からのプレスを新潟戦よりも強め、高い位置で奪うシーンもあり、よく機能していたと思います。プレスを掻い潜られてもボランチと最終ラインが強力で相手の攻撃を跳ね返すことができていました。やられたのは失点シーンだけだったと思います。
 調子の良い町田相手に多くのチャンスを作りましたし、勝てた試合であったと思います。内容的にも互角以上にやれていました。
 次は首位の横浜FCです。首位を叩いてリーグを面白くしてほしいですね。

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