三菱UFJ 日本株オープン「35」 の月次レポート #月次レポート研究所
月次レポート研究所です。
今回、取り上げるのは 三菱UFJ 日本株オープン「35」 です。
このファンドに着目した理由は、月次レポートで投資先の会社名、ウエイト・比率を全て開示しているからです。
こんな感じです。
目論見書の「ファンドの目的」には次のように書かれています。
わが国の株式を実質的な主要投資対象とし、「企業の成長性」に着目して厳選した 「35銘柄」に主に投資を行い、東証株価指数(TOPIX)を上回る投資成果をめざします。
ということで、ファンドの名前が「35」になっているんですね。
先程の表を再度。
9月末の投資先は42社。35ではありません。
目論見書を再度。
「裁量銘柄」というのが存在するようです。閲覧可能な月次レポート、運用報告書を確認してみると、月末時点では常に「42」となっているようです。つまり、裁量銘柄は常に7社と推測されます。
月次レポートの3ページ以降で「35銘柄」が全て紹介されています。
このように35銘柄に「新規」に加えられた投資先は確認できるようになっています。「新規」が1つあれば、1社が除外されたわけです。その1社はどこだ!というのは月次レポートには記載がありません。前回の月次レポートを確認することになります。照合すると、小糸製作所が除外されたことがわかります。
2つのレポートを突き合わせてみないと、「35銘柄」の異動が分からないのは少し不親切な気がします。
また、この表では「35銘柄」がどの会社で、「裁量銘柄」がどの会社かは自分で照合しないと分かりません。一つ印を加えるだけで一目瞭然になるはずなのに。
読む側で突き合わせてみると、2021年9月末基準の「裁量銘柄」は
トレンダーズ、レーザーテック、スミダコーポレーション、デクセリアルズ、マネーフォワード、SanSan、日東紡績の7社であることがわかります。
このうち、トレンダーズ、レーザーテックの2社はここ1年、ずっと「裁量銘柄」の位置付けが続いているようです。
一方、運用報告書を眺めてみました。
個別銘柄の選別においては、競争力の有無や収益力向上への取り組みなどを重視し、中長期的な成長期待が持てる企業として厳選した「35銘柄」を中心に投資を 行いました。 組入銘柄数は41~42銘柄程度で推移させました。
世界経済の復調により業績の改善が期待される東海カーボンや昭和電工 など、13銘柄を新規に組み入れました。 また、同業他社と比較し投資魅力度が低いと判断された本田技研工業やSUMCOなど、13銘柄を全株売却しました。
上記の説明はあるものの、どこ会社が「35」なのかは報告書からは分かりません。「35」を確認するには月次レポートを確認する必要があります。
「35」を厳選していると説明している割には、その「厳選」の様がボヤけてしまっているように感じますし、それを伝えるためのごく簡単にできそうな一手間さえも掛けられていないのが残念です。
全ての投資先をタイムリーに開示しているのであれば、そのファンド運営の特徴も分かりやすく示すほうがベターだと考えます。
2021年10月末基準のレポートが発信されました。
マネーフォワードが「35」に加わったようです。代わりに外れたのは三井金属鉱業のようですが、その事実はレポートに記載されていませんでした。もったいない感じがします。
以上 月次レポート研究所 でした。
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