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金融庁の”資産運用業高度化プログレスレポート2020”はピント外れも甚だしい!(個人の感想です)

金融庁の”資産運用業高度化プログレスレポート2020”はピント外れも甚だしい!と強い違和感があるので記事をつくります。

最初にハッキリ言いますが、私はアクティブファンドが「スキ」です。

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国内のアクティブ公募投信の平均的なパフォーマンスをみると、信託報酬等のコストに見合うだけの水準を確保できていないと考えられる。こうし たパフォーマンスの結果、顧客の支持が十分に得られておらず、公募投信市場の純資産残高も伸び悩んでいる。

この事実は確かにそうでしょう。で、この事実を課題と捉え、次のような方向性を示しています。

1. 顧客利益を最優先するガバナンスの確立と機能発揮
2. 資産運用ビジネスに知見のある経営陣による顧客利益最優先・長
期視点での運用を重視した経営を行うための経営体制
3. 目指す姿・強みの明確化と、その実現に向けた具体的な取組みの
推進
4. 役職員の評価・報酬制度や商品組成やプロダクトガバナンス、ファンドの運営管理等に係る業務運営体制の構築・改善

最初に挙げられた課題の根本の原因・理由を、「系列」「ガバナンス」に求めています。そうした問題があるのは確かだと思います。しかし、です。

顧客の支持が十分に得られていない理由として、いの一番に挙げている、パフォーマンスが優れないその根本の理由は「系列」「ガバナンス」なのでしょうか。

このレポートを作成した人たちは、アクティブファンドをしっかりと見つめたのでしょうか。保有して体験したのでしょうか。たくさんの、数多くの目論見書をきちんと読んで、月次レポートを毎月確認して、決算ごとの運用報告書を隅々まで見渡したのでしょうか。

そうしたプロセスをしっかりと積めば、分かると思うのです。

なぜ、支持が十分に得られていないか、が。

顧客の支持が十分に得られていない最大の理由は、情報開示の質の低さと、投資家との信頼構築に向けた熱意の欠如だと、私は考えています。系列をやめたら、ガバナンスを変えたら、これが担保されるというのでしょうか。資本関係とか体制とか、それをちゃんとしたら、情報開示の質が高まり、信頼構築に向けた熱意が生まれるのでしょうか。

確かに、情報提供の質を高めよう、信頼構築に熱意を感じさせる、数少ない投信会社は系列に属さない「独立系」と呼ばれる会社がほとんど、というのが実状です。しかし、そうした行動、姿勢を可能にしているのは、資本関係や体制という面だけではないはずです。

アクティブファンドを長くウオッチし続けて、実際にinvestしてきた投資家の一人として「アクティブファンド、こうあって欲しい」という提言は、最近、「投資信託事情」に寄稿させていただきました。

つみたてNISA / アクティブファンド選定基準をゼロから作り直そう!” 

機会があればご覧ください。

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