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キャピタルアロケーション ー どんな会社、どんな業種のオーナーなのか? #21 と 投信概況 第165回

このマガジン は株価指数に連動するETFのポートフォリオを定点観測することで、その種のポートフォリオを保有することは、どんな会社、どんな業種の「オーナー」になることなのか、を眺めてみる試みです。

投資信託協会 の月次発表資料からざっくり数字を拾う「投信概況」もこちらに書いています。

投信概況のバックナンバーです。


1. TOPIX

このETFのデータを基にして作成した表です。

実は、このデータは2020年3月末、2021年3月末、2022年3月末も持っています。2023年3月末のトップ30社のうち、この4つの時点で1度しかトップ30に入ったことのない会社は黄色で塗った1社です。2023年3月末含めて4つの時点全てでトップ30に入っていたのは25社です(前回は25社)。

前月末との比較では1社入れ替わりがありました。

業種別はこちらのETFのデータから。


1年前と比べると、順位の異動がありますね。情報・通信業と輸送用機器、医薬品、サービス業と機械。

2. 日経株価指数


2020年3月末、2021年3月末、2022年3月末、3つの時点で一度もトップ30入りが無かったのが黄色で塗った SMCさん、HOYA さんです。2023年3月末含めて、4つの時点でトップ30に居続けているのが30社のうち23社です(前回は23社)。

前月末との比較では、トップ30のメンバーは1社入れ替わっています。

業種別はこちらのETFのデータ からです。


1年前と比べると、小売業と情報・通信業、機械、輸送用機器とサービス業の順位が入れ替わりました。

3. Russell/NOMURA Small Cap Coreインデックス

このETFは3月に上場廃止になりました。

https://nextfunds.jp/data/2023/td_230310a.pdf

4. JPX 日経中小型株指数


黄色で塗った9社が2021年3月末、2022年3月末、2023年3月末ともにトップ30入りしている会社です。前回も9社が3時点全てでトップ30に入っていました。

前月末との比較では3社が入れ替わっています。

業種別です。

1年前と比べると、トップがサービス業に。卸売業、小売業のウエイトが増え建設業のウエイトが減っています。

5. S&P 500


黄色で塗った1社 は 2020年3月末、2021年3月末、2022年3月末の全ての時点で一度もトップ30に入っていなかった会社です。2020年3月末、2021年3月末、2022年3月末、2023年3月末の4時点ともにトップ30入りしているのは19社です(前回は18社)。

前月末との比較では1社、入れ替わりました。

業種別は こちらのETF で。


1年前と見比べると、順位の異動ありますね。金融が一般消費財・サービスと入れ替わり、資本財・サービスと電気通信サービスが入れ替わっています。

6. MSCI ACWI Index


2021年3月末、2022年3月末の両方の時点でトップ30に入っていなかったのが、黄色で塗った5社です。2021年3月末、2022年3月末、2023年3月末、この3時点全てでトップ30入りしているのは21社です(前回は21社)。

前月末との比較では1社、入れ替わっています。

業種別は 日本を除いたポートフォリオになっているこのETFからです。


1年前と見比べると、生活必需品とコミュニケーション・サービス、エネルギーと素材、順位が入れ替わっています。

7. NASDAQ 100


黄色で塗った3社は2022年3月末はトップ30に入っていませんでした。

業種別はこちらのETFからです。


1年前との比較では、生活必需品とヘルスケアの順位が入れ替わっています。

上位10社、上位20社、上位30社への集中度の推移

上のデータを作成した6つのETFについて、上位10社、上位20社、上位30社のウエイトがどうなっているのか、どんな風に変化してきたのか、を見たのが下表です。

上位10社

上位20社

上位30社



この上位投資先への集中度には特に関心を持っています。

こんな仮説を持っています。

パッシブ運用の割合が高まれば高まるほど、インデックスファンドの上位投資先への集中度が高まる。

パッシブ運用は通常、時価総額の大きな会社から順に「買収」していくことになると考えられます。ですから、パッシブ運用が相対的に増えると、時価総額の大きな会社への集中度が高まっていく。こう考えたのです。

上表を見る限り、一部の株価指数で上位の会社への集中度がじわじわと高まっているように感じられます。こうした状況をどう考えるのか、どう捉えるのか。これこそが僕がこの定点観測で抱いている「問い」です。

じっくりと観察を続けていきたいと考えています。

投信概況 2023年3月末

noteに引っ越して3回目です。

データはこちらからです。


株式投信の残高が150兆円超え。2ヶ月連続です。

個人的に注目の投信会社です。

次回をお楽しみに。

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