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売却理由が明瞭に述べられたレポート #月次レポート研究所

月次レポート研究所です。

#コモンズ投信  さんが運営されているファンド、 #コモンズ30ファンド
このファンドの最新、2022年3月末基準の月次レポートです。

https://www.commons30.jp/fund30/pdf/report202203.pdf

このレポートで、投資先の1社 の保有株式を全て売却したことが報告されています。

その理由が述べられています。

超長期の研究開発によって培われた多様な技術の引き出しを有する点を評価してポートフォリオに 組み入れてきました。その見方は現在も変わっていませんが、2017年に子会社でタイヤコードの品質不正が 発覚した際の対応に当社としても懸念を感じ、その後の対話において徹底した社内における類似事案の調査 と再発防止をお願いしたにも関わらず、その調査では明らかにならなかった樹脂製品の安全認証に関する長 年にわたる不正行為が今般、明らかになりました。この経緯から、危機管理という面での「経営力」と、社外の声に耳を傾ける「対話力」に対する疑念が生じ、さらにはこうした長年にわたる不正行為の土壌となっ た「企業文化」にも問題があるのではないかと感じたことから、全売却という判断に至りました。

ファンドの過去の運用報告書を確認すると、ファンドの第6期(2014年1月〜2015年1月)に投資がスタートしています。7年以上の関係です。

その間には、こんな機会も設けられていたようです。

今回の保有株式を全売却という判断は、ファンド運営側にとって、苦渋の決断だったと推測します。

コモンズ投信さんのように投資先と長い関係を築くのが「当たり前」のファンドが、それなりの時間を経過した後での「全売却」。こうした投資判断は、もっともっと注目されるべきでは、と僕は思います。

投資において、非常に大切なことの一つは「何に投資しないか」ということだと思います。場合によっては「何に投資するか」よりも重要かもしれません。
ベンチマークの構成銘柄であれば「全て、とにかく買います」のパッシブファンドと、アクティブファンドとを分つ決定的な違いです。

コモンズ投信さんのような投資哲学、姿勢、プロセスをお持ちのアクティブファンドが「売却」の理由を、しっかりと丁寧に説明する、公にすることはとても大きな意義があると感じます。なかなか覚悟のいるプロセスだと思います。
ですが、市民から資金を公に広く募っているアクティブファンドの投信会社が果たすべき責務の一つだと考えます。受託者責任の最も重要な要素である、と。

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