『私たちは、「こつこつ・ゆっくり・自分のペース」のつみたてがいちばんと考え、 つみたて専門の会社をつくることにしました。』- tsumiki証券のメッセージ
tsumiki証券が口座開設の受付をスタートしましたね!
ボクは3つの点に驚かされました。
まず「口座開設はだれでもできるの?利用条件はありますか?」
この問いへのtsumiki証券の答えです。
ご利用条件は以下となります。
①エポスカード会員であること
エポスカードの会員のみに限定しています。
確かに記者発表等でこのような話もあったように思いますが、ホントにそうなんだ!とあらためてその決断に驚きました。
普通にビジネスとして考えれば間口を広くしたいと考えるように思ったりするのですが、tsumiki証券は違いました。エポスカードを持っていない人にはこのサービスを提供しないのです。エポスカードを持っていないけどtsumiki証券に口座をつくりたい人は、エポスカードを新たに作成しなければなりません。なかなかの割り切りですが、まずはエポスカードの会員に絞ってこのサービスを知ってもらうのだ、訴えるのだ、理解してもらうのだ、という覚悟のようなものを感じます。
驚いたこと、2つ目。
それは「つみたて専門」だということです。
これも記者発表で言われていたことかもしれませんが、ホントにそうなんだ!とあらためて、ね。
WEBサイトをザっと見渡しましたがスポットでの買付については一切の説明がありません。買付があるのは月に1度のみ、最初の買付は10月10日の約定になるようです。で、買付代金の決済は10月29日もしくは11月5日。
これもビジネスとして考えると、スポットでの買付の選択肢を用意しておきたいところ。しかし、それをtsumiki証券は用意していません。これでオペレーションのコストがどれだけ軽減されるのかは分かりませんが、スポットの買付という選択肢を用意しないことでいくらか事務は省力化しているのではないでしょうか。この割り切りが
驚いたこと、3つ目。
それは「つみたて金額に上限がある?!」ということです。
このページを見る限り、月々の買付額の最大額が50,000円のようです。これには一番驚いたかも。ビジネスとして考えれば、というか、この業界の方は特に、「預かれるものなら1円でも多く」という考え方を原理原則として行動されているように見ています。それなのに、買付の金額に上限を設定するなんて!業界の皆さんが冷ややかに笑っているかもしれませんね。
様々な面で絞り込まれて選択する余地をかなり削ったのが tsumiki証券 の特徴だと感じます。「何を買えばいいの」「いつ買ったらいいの」「いくら買ったらいいの」こういう疑問に対して、悩む部分が少なくなっていることは、株式投資、資産運用に全く馴染みの無い人にとっては、むしろ分かり易いと受け止められるかもしれません。要は、今の業界が提供しているサービスは色々な面で選択肢が用意されているがゆえに、なんだかわかりづらい、どうしたらいいのかわからなくなる、とっつきづらい、だから手が出せない、一歩踏み出せない、そうじゃない?というのがtsumiki証券の仮説なんでしょうね。
ここまでシンプルにしたんだから始めてみませんか、投資信託へのつみたて投資を。ということです。
その面で「うーん、ちょっとこれはなあ・・・」と感じたのがこのグラフ。
預貯金との対比なのですが、これまで株式投資、資産運用の経験が無い人にこんなグラフを見せてどうするの?と強く感じました。株式投資ってポジティブなことだよ、って「未来」を語ってほしいな、と。過去しか語ることの出来ない役所の資料でワクワクできますか?!この辺りについては、商品を提供する投信会社の皆さんもtsumiki証券と手を携えて取り組んでもらいたいですね。
それから、このページが素晴らしいと思いました。
~商品選定の主な基準~
1.運用会社の理念に共感できるか
2.継続して運用成績を高めるための活動ができているか
3.お客さまとの対話活動が行われているか
この基準はぜひ貫いて欲しいと思います。
tsumiki証券のサービスに対抗するかのような施策を発表した証券会社がありましたが、tsumiki証券のWEBサイトを見る限り、ピントのずれた、的外れな施策だったように感じられてなりません。
ボク自身はエポスカードの会員ではないので、口座を開くことは無いと思いますが、
お客さまに資産づくりを身近に感じていただくことにこだわります
という点で、どんなこだわりを見せてくれるのか、大いに期待をふくらませています。一歩踏み出すつみたて投資家を一人でも多く増やせるといいですね。
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