見出し画像

スパークス・アセット・マネジメントの月次レポートを読んで #16 (2021年8月末版)

スパークス・アセット・マネジメントさんの運営するファンドの月次レポートを読んでみる定点観測です。

スパークスさんのnoteの記事です。

7月末基準の月次レポートをザッと読んでみてのメモです。

スパークス・新・国際優良アジア株ファンド(愛称:アジア厳選投資)

こちらのレポートで詳しく紹介されている投資先が SEA です。

「Garena」事業部門が販売する「Free Fire」は、世界の新興国市場で大成功を収め、東南アジア地域、中南米地域、インドで最も売上の多いモバイルゲームとなりました。また新興国市場だけでなく、米国市場でも好調な出足を見せています。

ゲームだけではなく、コマース、金融サービスも提供しています。

業績推移は下グラフの通りで赤字が続いています。

SEA_業績

売上高は右側縦軸、利益が左側縦軸の目盛です。赤字ですが売上高は爆速で伸びていますね。

市場の評価です。

スクリーンショット 2021-09-29 6.51.02

この勢いを維持できるのか、今後が注目される会社ですね。


スパークス・ジャパン・オープン

ファンド運営を担当されている清水裕さんのnoteです。

こちらの発信の内容が月次レポートに載せられています。

このミーティングの提案は我々にとっても大きな気付きをもたらしました。
それは、我々投資家側の情報発信が、企業IRとの対話を充実することにつながるということです。
シスメックスがミーティングの相手として我々を選んだ背景は、我々がnote(ソーシャルメディア)で発信するESG関連の情報をシスメックスのIR担当の方がチェックしており、その内容を評価いただいたことにあります。

公募で販売されている、つまり、誰でも参加できるファンドのレポートの内容が、投資家だけではなく、株式を発行している上場会社の皆さんにも受け取られて、そこからより一歩進んだコミュニケーションの機会になったそうです。「売買される」のではなく「投資されたい」と考える発行体の会社さんの存在を知ることができるようにも思います。月次レポートがこのような機能を果たせるんだ、とその可能性を感じました。

この可能性を知ることが出来たのも、清水さんが対話に至った経緯をこうして発信されたからこそ。今後の月次レポートにも期待です。

スパークス・少数精鋭・日本株ファンド

今月のレポートでは投資先の マックスさんが紹介されています。

ホッチキスを中心としたオフィス機器と、建設工具を中心としたインダストリアル機器を事業の柱と する企業です。皆さんも一度は手にしたことがあると思われるホッチキスでは国内シェア約75%、オートステープラー(高速コピー機に付随している自動ホッチキス機能)では世界シェア約80%という極めて高い市場占有率を誇る 会社です。

業績推移です。

マックス_業績

伸びてる!って感じではないですが安定感はありそうです。

マックス_ROA

2021年3月期の営業利益では、インダストリアル機器の営業利益構成が全体の約70%まで拡大し、オフィス器具を大きく上回る状況となりました。今 後もマックスは鉄筋結束機を海外で拡大させ、長期的には中国・アジア地域がターゲットとなると思われます。

2021年4-6月の決算説明資料 からです。

スクリーンショット 2021-09-29 7.24.17

海外機工品事業が確かに伸びています。注目ですね。

市場の評価です。

スクリーンショット 2021-09-29 7.26.43
スクリーンショット 2021-09-29 7.27.48

当ファンドは「株式市場が注目していない企業群の中から、成長が期待できる企業を発掘し投資するアプローチ」を設定来、継続しています。
この投資アプローチのリターンの源泉は、投資先企業の将来の利益成長に対して株価が割安である点です。

今後のマックスさんの価値創造に注目です。

スパークス・新・国際優良日本アジア株ファンド(愛称:日本アジア厳選投資)

メルカリとともに紹介されているのがMedlive Technologyです。

Medlive Technnology は 7 月に香港株式市場に新規上場したばかりの医師向けプラットフォーム運営会社です。日本のエムスリー(株)が 37%の株式を保有しています。
同社は 1996 年に設立され、当初は医療関係オンライン英中辞書に注力していました。その後、医師や製薬会社の多様なニーズにインターネットサービスを通じて答えるべく、様々なコンテンツ作りに着手します。2013 年になると、エムスリー(株) の目にとまり、同社株式の 50%を対象とした資本参加を受け、今回の株式上場につながりました。経営陣や重役ポストに はエムスリー(株)の出身者が就いており、コーポレートガンバナンスに関するリスクは低いと判断されます。
当ファンドはエムスリー(株)に関して長年にわたってフォローを続けており、株価の割高感を理由にこれまで投資に至って いませんが、エムスリー(株)のビジネスモデルに関しては充分理解しています。

こんな上場会社があったのですね!


今月も様々な発見を得ることが出来ました。次回もとても楽しみです!


ここから先は

0字

サポート頂いた際は、TableforKidsへの寄付に使わせていただきます。 https://note.com/renny/n/n944cba12dcf5