見出し画像

通信講座で芸人になりました Vol.2

通信講座のお話、その2です。
Vol.1はこちら

●授業はネット配信。ネタ見せはビデオ送付。

通信講座生となった僕らにまず送られてきたのは、
・通信講座生会員証
・通信講座オリジナル原稿用紙
・通信講座オリジナルボールペン
・通人講座オリジナル手帳(カレンダー付)

でした。
正直どこで使っていいやら、でも捨てるのも忍びないといったものばかり。
しかしオリジナルグッズなので、やけにお金はかかってそう。
結局一回も使わず今でも手元にあります。
メルカリで売ろうかな。

通信講座の授業はネット配信です。
授業と言っても、よくある予備校のオンライン授業のような講師が1人で喋り続ける、といったものではなく、皆さんもよく知る売れっ子芸人さんがMCとなって、僕たちの2〜3年先輩方が出演をする教育バラエティ番組形式の授業でした。
先輩方がダンスを踊っているのを見ながら受講生も自宅で踊ってくれという内容や、わさび寿司を食べた時のリアクションを受講生も自宅でわさび寿司を用意して実践してみなさいといった内容。
そして先輩方がネタをし、それに講師の先生がダメ出しをすると言った内容。
そういった授業が1ヶ月に一度配信され、相方と2人で画面を見つめるのでした。
もちろんダンスもしなかったし、わさび寿司の用意など一切しませんでした。
今は大変お世話になっている先輩方が講師の先生に指導されている風景を画面越しに見ながら、タバコを吸っているだけでした。
しかしもちろんそれだけではありません。
僕たちもネタを見てもらう機会があるのです。
僕たちが自分たちでネタを撮影し、ビデオテープを送付。
その映像を見ながら講師の先生が直接ダメ出しをしてくれるという内容でした。

●俺たちは優秀生なのか?

「ビデオテープとネタ台本を送ってください。スタッフがチェックして、優秀な方は授業内で採用するのでダメ出しをいただけます」
事前にスタッフさんからこう聞いていた僕たちは、気合いを入れて撮影に臨みます。
当時大学4年生だった僕らは、大学の空いている教室を勝手に使い、ビデオカメラの前で一生懸命漫才をします。
採用されますようにとの願いを込め事務所に送付。
1本目のネタが採用され、相方と喜びあった覚えがあります。
その後、2本目も採用。
「やっぱり俺たち才能あるんじゃねぇのか」とニヤニヤしながら日々を過ごしておりました。
そして3本目を送った時にスタッフさんから突然メールがありました。

画像1

↑当時のメール

やっちまった!
大学で撮影していたので知らず知らずに吹奏楽部の練習の音が入っていたのでしょう。
そう正直に答えると今度は電話がありました。
申し訳ないんだけど、撮り直してもらえないかな?バイク便送るから、すぐにテープを渡してほしいんだ

なるほど。。。
我々は有頂天です。
そうか、そんなに俺たちのネタが必要なのか。八王子の山奥にある大学までバイク便を寄越すだと?優秀生どころか特待生扱いじゃないか、と。

実は、あとで知ることですが、ネタのビデオ、ほとんどの受講生が送っていなかったそうです。
僕ら以外と数組だけ。
また、送ってはくれるけど、全く何を言っているか分からない映像や、カメラの画角がおかしくて本人の足元しか映っていない映像など、到底授業で採用できるものではないものが多く、僕らの内容が特別よかったのではなくて、単純に映像がきちんと映っていただけだったからだそうです。

だいたい、よく考えたら優秀生の割に、ほとんどの講師の人にボロカス言われていました。
俺ら優秀だから採用されてるんじゃねぇのかよって文句言いながら、相変わらずパソコン前でタバコ吸いながら見てました。
講師の方々は今も第一線で活躍されている芸人の大先輩方。
ほんと、恐れ多い。

続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?