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熱海の土石流で騒がれている太陽光発電について思うこと

 被害者の方のご冥福をお祈りするとともに、行方不明の方のご無事をお祈り申し上げます。

 災害発生直後に上流の伊豆山の太陽光発電所が原因というような推測がSNSで流れました。そして瞬く間に拡散し、発電所の開発が原因と決めつけるようなSNSも多くあります。

 確かに”可能性”という意味では否定はできません。ただ、この区域は元々土砂災害警戒地域です。あくまで推測に過ぎず、因果関係はこの時点では分かりません。

 このような議論が沸き上がるのは、昨今の太陽光発電所の不適切な施工事例が多くあるのも事実ですので致し方ないと思いますが、技術者は推測で物事を決めつけず、事実に基づき論理的な判断をしなくてはいけません。

 この情報だけで決めつけるのは、反対派の思考と同じです。反対派は可能性と可能性を結びつけて、あたかも事実かのようにストーリーを作り上げます。技術者はこのような意見に惑わされずに、何が事実で何が推測かをきちんと把握した上で冷静に考える必要があると私は思います。

 ただ、今回の災害については、太陽光発電所と土石流の因果関係は証明できないでしょう。
 私も大雨による発電所敷地内での崩落を経験していますが、大雨が降ると地下の水の様子は目に見えず、どこで崩れるかは誰にも分かりません。危険だと思われていた場所ではなく、一見普通の斜面で起こることもあります。昨今よくある深層崩壊はまさに予想ができない場所での崩落です。

 太陽光発電所の有無での結果を比較する事は不可能です。事実は短時間の大雨で土砂災害区域で土石流が発生したことと、その上流に太陽光発電所があった事です。

 下記の記事の写真を見る限り、太陽光発電所が崩落源になったとは言えません。


 ただ、間違いなくマスコミは太陽光に焦点をあて、伐採をしていなかったら森林によって雨水が保水され、崩れなかった可能性があると報道すると思います。そして推測の範囲でも世論としては発電所が原因との流れになるのは間違いないでしょう。。。

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