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なぜ今、自家消費の太陽光なのか? vol.1

コロナの影響で丁度時間ができたので、エネルギー業界に身を置き自家消費型太陽光発電設備を販売してきた営業マンが、自家消費型太陽光やエネルギーについて語っていこうと思います。

私は東京都台東区上野にある某エネルギー会社に自家消費型太陽光の事業開始のタイミングでジョインし、販売戦略立案および営業チーム運営、需要家への直販はもちろん代理店へのアライアンス営業など幅広く行ってきました。
今は別会社に身を置いています。

多くの方に再エネを理解いただき普及が促進できれば幸いです。

第一弾は「なぜ今、自家消費の太陽光なのか?」。数回に分けてお送りします。

1. シンプルに「国策」である

日本政府が再エネ普及を促進している

日本政府が国連に提出している温室効果ガス削減目標は「FY2030にFY2013比の26%削減」。2018年速報値ベースで、11.8%削減している。この背景にはFIT制度の恩恵があるだろう。
(下図:https://www.env.go.jp/press/files/jp/113674.pdf

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水力以外の再生可能エネルギーは、FY2011時点で2.6%だったのが2017年度には8.1%まで増えた。FY2017には再エネ比率が16%になっている。

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こういった推移を見ていると、国内の再エネ普及は一見順調に伸びているように見える。
6年で再エネ比率が5.6%も上がったのだから、残り13年で10%は上がるだろう、と。
しかしこの6年での再エネ比率向上にはFIT制度という背景がある。

FITはなぜ単価が下がっていくのか?

ではFIT制度を継続させればいいかというとそういう問題ではない。FIT発電事業者の売電収入は国民の負担となって跳ね返ってきている(再エネ賦課金)。
景観問題などももちろんあるが、太陽光発電を始めとするFIT制度が嫌われるのはここにある。「なぜ金儲けの人たちに払うお金を私たちが払わないといけないのか」。ごもっともである。

再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)とは
固定価格買取制度で買い取られる再生可能エネルギー電気の買い取りに要した費用は、電気の使用者から広く集められる再エネ賦課金によってまかなわれます。再生可能エネルギーで発電された電気は、日々使う電気の一部として供給されているため、再エネ賦課金は、毎月の電気料金とあわせていただいています。(エネ庁HPより抜粋)

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再エネ賦課金の計算方法については追々触れていくが、再エネ賦課金単価は
FY2012:0.22円/kWh



FY2018:2.90円/kWh
FY2019:2.95円/kWh
FY2020:2.98円/kWh
となっており年々上昇しているが、運転開始済容量が50.2%(2019年3月末時点)となっているため未稼働案件が約半分あるので、今後も再エネ賦課金は上昇していく予測となっている。

※FY2023には発電側基本料金が導入予定で、現状では2015年6月以前に認定された案件に適用される運びとなっている。FY2014認定分までで買取総額の63%を占めているのが理由だろう。

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要するに、もうFIT制度の役目はほぼ終えたのだ。

再エネ普及は進み今後は国民負担が増えていく一方なので、今後はFIT電源に頼らない再エネ普及をして再エネ比率を10年で10%近く上げなければならない。

では、何をするか。

そこで出てきたのが、自分で発電した電気を自分で使う「自家消費」なのだ。

というわけで、自家消費を取り入れることはもう国策以外の何物でもない。



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次回:日本の企業が○○に力を入れている!

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