誤認逮捕
求人広告でも見かける
麻薬Gメン、ならぬ
万引きGメン
スーパー、ショッピングモール、百貨店
万引き犯人を捕まえる警備員たち
民間の警備会社の警備員
警察に言わせりゃ、彼らは
「素人」
後述するが、これは刑事たちがそう言っている
素人とはいえ
そりゃ彼らも使命感に燃え
研修も訓練も受けて現場で日夜、
依頼された店の利益を守るために目を光らせているわけだ
いや、それをどうこう言うつもりもない
日夜、商品をくすねては持ち帰る窃盗犯を
見つけては捕まえてくれるのだ
ありがたい(棒読み)
しかし私はかつて
その万引きGメンなる奴らに
万引き犯と間違えられて
逮捕された事がある。
電子手帳というものが
ノートパソコンが市場を凌駕する数年前
電子機器売り場を占領して並べられていた
ラインナップはワープロ
FAX
電子手帳
まだボートパソコンは普及してはいない
デスクトップPC が30万円ほどする時代
当時、人気だったのは
携帯端末の「ザウルス」と言うコンパクトな電子手帳
私は某ショッピングモールの電子機器売り場で
それらの性能をあれこれと
その都度カタログを手に取り
数種類の商品を比較すること数十分
いや、1時間以上その売り場で触っていた
そうしているうち
突然ポケットベルがなったので
急いで公衆電話を探しに店外に・・・
電話BOXに向かって歩み速める私に向かって
四方から男が駆け寄ってくる
「なんだ?なんだ?」
走り寄ってきた男たちが
一人は私のベルトを掴み
もう一人は腕を掴み
さらに一人が前に立ち
前後左右を囲まれ、再び、
店内に引き戻されバックヤードに
「なんやねん⁈ お前ら」
そういう私に
「持ってるもん出してみぃ」と
一人が言う
当時所持していた
セカンドバッグには
ポケベル、財布、手帳、ペン
その程度だ
それと結構な量のカタログを半分に折り曲げて
セカンドバッグに重ねて小脇に持っていた
のちに判明したが
そのカタログ類が
商品をくすねた物のように見えたらしい
・・・とまぁそこで
私服警備員も誤っての行為なので
素直に謝罪してくれれば事が済んだのだ。
ところが・・
誤認という事実が判明して
屈辱を味わった私にどうしてくれる?
店内で多数の一般客に目撃もされている
何も悪いことはしていないのに連行される様子を
なぜ?大衆に晒されなければならなかったのか
もし、客の中に知り合いがいた場合
どう弁明してくれるのか?
一人一人、さっき引き連れられた辺りに居る客に
説明してこい、、、みたいなことを捲し立てと記憶する
大人しく、後の補償と言うか迷惑料というか
そう言う金銭面のハナシに持っていけば
多少、その警備会社にカネをせびる事が出来たのだろう
そして男のうち一人が
「まぁワシらもええ加減なことしてるわけやないし
間違えたのは悪かったけど」
とか
「万引きと間違えるような行動をしていた
あなたもちょっとなぁ・・・」
みたいな歯切れの悪いことを宣ったものだから
頭に血が昇ってしまい
次の瞬間
その顔が初めから気に入らなかった男のこめかみに
左フック一閃
井上尚弥レベルのKO劇
……なんて素人の私が言ったら失礼か(笑
かくして
無実の誤認逮捕の被害者が
まぁ、実際のところ万引犯だった場合も
その時点で警備員から警察に通報がいき
そのまま警察のお迎えが来るのだが、
暴行罪の現行犯逮捕ということで
民間警備員ではなく、
そのまま本物の警官に連行される羽目になってしまった。
まぁ折角なので
その後の獄中日記でも綴りましょう
続く