想い出の重さで 泳げない
東京に住んでいた。
期間にすると6年間。20歳から26歳の間。
街の風景は美しくて、それでいて寂しい。
この6年間は本当に本当にたくさんの出会いがあって、その分だけ別れもあった。
忘れられない人がいる。今でもその思い出に浸っては、あの人を想っている。恋愛感情に似てはいるけれど少し違う。どちらかと言えば憧れのような感情だ。顔立ちが良かった事は些細なことだった。その人の纏う空気感やその人が紡ぐ言葉の全てが美しかった。
私は心底魅了されてしまって、その人が永遠に色褪せない思い出にな