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週一県民⑤

世のお子様たちと同様、今年3歳になる筆者の次女も、『アンパンマン』に夢中だ。

一番のお気に入りは、ドキンちゃん。

言わずと知れた、バイキンマンの相方である。

DCコミックスならジョーカーの恋人ハーレー・クイーン、『ルパン三世』なら峰不二子のポジション。

俗に言う、小悪魔属性のキャラクターに惹かれるとは、親として少々気掛かりだが、筆者が買ってやった人形やぬいぐるみを手にハシャぐ姿は実に微笑ましい。

まだ舌っ足らずな娘は、どうしても、
「ジョキンちゃーん!」
としか発音できぬ。
いや別に構わないのだが、聞かされるコチラの頭の中に浮かんでいるのは、漢字に変換された「除菌ちゃん」。

バイキンマンや子分のかびるんるんにとって、「除菌」は生死を左右する大問題だろう。

(ルームシェアしているのに、大丈夫だろうか……)
と要らぬ心配をしてしまう。

まあ、今のところ次女の人生は、そのほとんどがコロナ禍中。

除菌や消毒の方が馴染み深かったとしても、何ら不思議ではない。

自分で言うのも何だが、当方、活舌も良く、比較的常識も備わっているタイプ。

そのせいか、「噛む」とか「言い間違う」ことに縁が無い。

バラエティー業界で重宝される、いわゆる「天然」の方々が巻き起こすハプニング……“おいしい”展開に恵まれたためしがないのだ。

芸人としてはコンプレックスである。

幼い次女はともかく、笑いの神に溺愛された女性が身近にもうひとり。

名前を、森田絵美という。

筆者がパーソナリティーを務める山梨放送(YBS)のラジオ番組を、一緒に切り盛りしてくれている局アナだが、サッカーの試合結果を「0-1000」とお伝えしたり(実際は「0-3」)、「○○リパブリック」とかいうアーティストを、「○○ケバブ」と香ばしく焼き上げたりと、とにかくすさまじい。

晩酌が欠かせない、酒量を減らしたいのですがと悩むリスナーからのお便りには、

「肝臓に“布団”かけるから控えて!」

と妙な気遣いを見せるも、その発言を逐一訂正せねばならぬコチラの“負担”には関心がなさそうだ。

挙句の果てに、ニュースコーナーで完璧な原稿読みを披露してくれた、水越千尋アナ(同じくYBS)のあとを引き取り、

「以上、みじゅこしちゅひろアナウンサーでした」

と“全噛み”する始末。

ピアノなら腕全部で鍵盤を“ジャーン!”といったところだ。

何かしらツッコむべきだったのだろうが、

「……スゲーなー!」

と筆者はただただ、感嘆の声を上げてしまった。

……と冒頭からここまで、原稿チェックを兼ね、音読を繰り返しているが、一度たりとも“噛み”は舞い降りてこない。

うらやましい限りである。

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