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8.Stage3 (21.1 km)


最終日の朝、6時起き。よく寝たわ。
まったりネットをチェックしていると、どうも周りの人たちが慌ただしく朝ごはんの準備をしている。なんか動きがいつもより早い。

その時は気がついていなかったのだが、今日はスタート時間がいつもより早いので、ビバークを早めに出なくてはならない、かつ、今日はゴールの場所が違うのでテントを自分でたたんでおかなくてはならないのだ。(テントはスタッフが回収して、ゴールまで持って行ってくれる。)

なんか周りが慌ただしいので自分も一緒になって慌ただしく、朝ごはんを食べて身支度をする。するとスタッフがやってきて、もうそろそろビバークを出発しなさいとかいうではないか。が、その時はテントの収納に悪戦苦闘中。左薬指を怪我しているせいで、激痛を伴いながらのテント収納で、なんとか無理やり体裁を整えた風にしたわ。

慌ててビバークを出発したが、日本人選手のSさんは既に先に行っているようだ。いつものロードマップを渡される場所で合流できた。

本日はハーフマラソンの距離か、、で、今日は海抜0からのスタートじゃないのね。バスに乗ってスタート地点に移動する。例のごとく、バスを降ろされてからまた結構な距離を歩かされる。

これさ、もしサハラマラソンでスタート前にこんなに歩かされることがあったら、もうスタート前に死んでるな。スタートゲートが見えてきた。


スタートは10時からだが、まだ時間があるのでその辺で適当に座ってのんびりスタート前のブリーフィングの時間を待つ。もう今日で終わりなのかー、4日間だけだけど、なんか盛りだくさんだったなーなんて物思いに耽る。

で、スタート前のブリーフィングが始まったのだが、そこにはパトリックの姿はない。

逐次通訳のギョーム氏が仕切っている感じになっている。この方、かなり有能な通訳さんです。今までの通訳さんはパトリックが言っていることをかなり端折ってしまうのだが、この人はガチなプロで、ちゃんとメモをとりながら、きっちり要所要所を押さえて通訳してくれる。3ヶ国語通訳なので、笑いとか拍手が3回に分かれて起きるのが結構面白い。


さて、このスタート前にかかる曲はなんだっけなーとまた悩んでいるうちに最終ステージがスタートした。昨日は十分休んだおかげで、みなさん早いこと早いこと。完全徒歩を決め込んでいた私はあっという間に最後尾の方に押しやられた。

CP1までは約10km
3km過ぎたあたりから足場が変わった。これは雲仙・普賢岳の噴火の時を思い出させる、火山の噴火で飛んできた石らしきものがゴロゴロ転がっている。これ下手すると足がグキッと行くやつやん。

これが結構長いこと、4kくらい続いて、かなりの苦戦を強いられる。途中でいつものメディカルスタッフが待ち構えていた。おそらくここで怪我する人がいると踏んだわけだね。ここでメディカルスタッフに捕まり、指の状態をチェックしてもらった。無理するなよ、と言われる。
わかってます、もう走ることは既に諦めていますから。

足場が変わり、安定した山道になったのでここで前から試してみたかったことをやってみる。

FacebookのLive機能での実況中継である。時間帯的にも日本は金曜日の夜なので見てもらえるのではないかと。しかし、あの石ゴロゴロ地獄の後だったので、実況する自分のテンションが異様に低かった。Facebookのライブ中継をしながらCP1に到着。

すると、ロングステージで一緒だったイタリア人選手がいて、「シモーネは見かけなかったか?」と心配そう。実はシモーネは途中で抜いちゃったんだよなぁ。なんか足の裏が痛いって言ってた。そのことをおっさんに伝えると、そうなんだよ、足を怪我しているんだよー、と心配そうだった。しかし、シモーネは気持ちは折れていないようだったから大丈夫だと思うな。

さて、CP2までは約7km
山を下っていって、平坦な道をひたすら歩く。すると、途中で道路を横断したり、集落っぽいところに入って行ったりして、だんだん砂漠感がなくなってしまった。最後の方は街に着いたようで、街中では所々に大会スタッフが立っていて、誘導してくれる。

そんな街中にCP2があった。脇にはオープンテラスのカフェがあって、お客さんが声援を送ってくれる。そして、目の前は海!!うわー、めっちゃいいとこやん、めっちゃいいとこやん!

次はいよいよフィニッシュゲート、残り4km

またもやビーチ(海抜0m)から一気に160mくらいの山登り&縦走させるんだよ。ああ、街が遠ざかって行く。

山に登って尾根を縦走する。

と言っても、大したことはないんだけどね。山というより、丘と言った方がいいかもしれない。ここから見える景色は最高で海風が心地よい。

そして、ついに見えた!

フィニッシュ地点のリゾートホテルである。下りきったところで、足場が安定したことを確認して、ここからまたもや4度目のLive中継を行う。

もちろん、フィニッシュ地点でパトリックにメダルをかけてもらうところまでである。一気に山を下り、ビーチをひたすら歩く、フィニッシュゲートがもう見えているのに、微妙に迂回させるのはなんでだろ?

その途中で、レース中ずっとお世話になったメディカルスタッフがいた。思わず彼らのところに向かい、感謝の言葉を述べる。

ついにフィニッシュゲートまで直線ダッシュ。
目の前にはパトリックがメダルを腕にかけて踊っている。
それこそまさにパトリック!

そしてフィニーッシュ!!
パトリックからのハグ&ビズ。そして、私がフランス語を(少し)話すことに感謝してくれている。やっぱりMDS最高だわ!!


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