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6. Stage2 (66.5 km) 後編


(続き)

闇の中をひたすら歩く。
マーキングを見失わないように注意深く見ていくが、たまに見落としたりする。CP4を出てから2回ほど若干コースアウトした。で、2回目の時には後続の選手まで巻き込んでしまった、申し訳ない。

サハラマラソンみたいに途中でケミカルライトが光っているわけではなく、マーキングのテープを探しながらの移動なんだが、なぜにこうも見落としてしまったのだろうか。ヘッドライトの光が弱いのか?

ちょうど同じくらいのペースのイタリア人選手2人組にぴったりついていく。が、そのうちの1人はずんずん先に行ってしまった。もう一人のシモーネとかいうおじさまが私のペースとぴったりな感じで、彼のヘッドライトの光も十分あるのでついていくことにした。特に何かを話すわけでもなく、黙々と歩く。

途中、シモーネが彼のヘッドライトの光が弱くなったから電池を交換したいとか言い出した。ん?私のヘッドライトより十分明るいんですが?最初はそんなことないんじゃない?って言っていたんだが、あまりにも真剣に変えたいというので、お付き合いすることにした。なぜにおつきあいするかというと、交換している間は光がないので、私のヘッドライトで照らさなければいかんのだ。まあ、持ちつ持たれつですんで。

で、交換を終えて、シモーネは大分明るくなったと満足げである。
しかし、私には大して変わっていないように見えるんだが、私、なんかおかしいんだろうか?シモーネと真っ暗な静寂な中を黙々と歩く。最後のCPには1時過ぎに到着。


思ったよりも時間がかかっている。
やはりガーミンで時間と距離をチェックできないのは結構痛いな。つか、ガーミン、むっちゃ使えるなー。これは来年のサハラマラソンでも採用だな。バッテリーを1週間分どうするかが課題だけど。

CP5ではシモーネの友達が先に休んでいた。ゴールまで後10kmなのでここは一気に行きたいなぁ。しかし、この人たちはまだ歩き出す気配はない。よし、残り10kmだし、注意深くいけば大丈夫だろう。先に1人で出発する。


ええ、ええ、出発していきなりコースを見失いましたよ(笑)
気がついたらビーチまで来ていたようで、波の音がザバーンザバーンってものすごく大きいし、夜の海はなんか怖いなー。しまった、来た道を戻るか、と後ろを振り向いたら、ちょうど後続の選手のヘッドライトが見えたので、その方向に向かっていく。ええ、彼らでしたよ、イタリア人選手(^^;

ビーチ沿いをひたすら、砂場を登ったり、降ったり。
ふと思ったのだが、このエリアって、テクニカルチェックを行ったホテル周辺じゃないの?ということは、レース前のビバーク移動したところを歩いていることになる。しかし、海の音ってこんなに近かったっけ?

気がついたら、私のペースが落ちたのか、イタリア人選手のペースが上がったのか、私が置いていかれる事案発生。まあ、ケミカルライトが見えるので、その光を頼りについていけばいいんだけど、、、
って完全に見えなくなった。


そういや、シモーネが私のヘッドライトの光量が弱すぎると指摘していたけど、本当に弱いんだろうか。電池を変えてみようか。ちょうど海岸沿いを歩いていたので、どさっと砂浜に荷物を置いて、iPhoneを取り出し、iPhoneの光を頼りにヘッドライトの電池を交換する。

あれ!?すごい光量なんだけど?!
光が届く範囲が広がった。これだとマーキングを見失う可能性は大きく減る。シモーネ、あんたが正しかったよー(TーT)
サハラマラソンのオーバーナイトステージの時もヘッドライトの電池を必ず交換しようと決意する。


しかし、ゴールがなかなか遠い。
イタリア人選手も見失い、後続は誰も来る気配がなく、周りを見渡したら私1人ぼっちである。しかも海岸沿いを歩いていて、波の音がすごい、うーん、歌うか。マドンナを中心とした、80年代洋楽1人カラオケ状態。そういや、こんな大きな声で歌ったの久しぶりかもしれん。


ゴールゲートの明かりが見えて来たけれども、ここは簡単にゴールさせてくれないのがMDSシリーズである。ゴールのゲートが近づくどころか遠ざかっているのではないかと思うくらいに回り込みをさせられて、なんとかやっとこさゴール。


午前4時過ぎでした。
ゴールにはスタッフの他に、先にゴールしたシモーネがいて、
「すごく心配したんだよ!」なんて言うもんだから、
「ごめんごめん、ヘッドライトの電池交換してたんだよ。」
と言っておいた。

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