『伝習録』(でんしゅうろく)を知る⑤:読書と講演会、解読力と認知の拡大

王陽明の見解では、
人生において最も重要なのは、第一に独立した精神、第二には寛容な幸福感です。
彼は、両方を兼ね備えた人は極めて少なく、両方もを持たない人もいると述べています。
もし私たちの内なる心が常に外部のものに注目し、絶えず移り変わり、変化し続けるならば、必然的に疲れ果てるでしょう。
その為、
王陽明は「あなたの態度があなたの世界を決定する」と伝えたかったのです。
これが『伝習録』(でんしゅうろく)の中で最も重要ないくつかの解説です。

王陽明の心学を一言で言えば、
心の修練を通じて身心の幸福を得る方法を指導する」です。

心身の幸福は、誰もが求めるものです。
ですから『伝習録』を通じて、王陽明の心学に比較的容易に入る方法を理解し、それを架け橋として、自分自身と偉大な思想家との間に接続を築くことができるようにする必要があります。

一部の誤解を払拭すると、
心学と聞くと、これがあまりにも玄学(※1)で理解しづらく、自分の心を把握することができないと感じていました。
しかし、
『伝習録』を通じて見ると、実際には心学は少しも玄妙ではありません。心学は、修行の行為である「実践や訓練」に重点を置いています。
その中でも最も重要なのが「実践」です。真の腕前は、実際の行動に落とし込むことであり、語り出しただけではありません。
道理が身に付いてから始めて本当に理解していると言えます。
そのため、
心学を学ぶ人々はしばしば実践家になりやすいです。

※1:玄学(げんがく)とは、奥深い学問や、老荘などの道家の思弁的学問や仏教哲学を指します。


『伝習録』には、
段階的に学問する方法がある。
より高く自己修行する入門書である。
認識の拡張が展開されている。


自燃人、不燃人、可燃人とは

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