BendCoreってなんなんや

学生の時、一年だけ某社で音楽ライターやってたことがある。

そのとき最初にぶち当たった壁がこれ。

「わたし、音楽ジャンル知らない!!!!」


「音楽にジャンル付けるとかナンセンスだ。シニカルな評論家気取りのすることで自分は話してていい気持ちがしない」という父親の教育方針を真に受けた結果、綺麗に音楽ジャンルを知らないまますくすく育った大学生駒澤。無事某インディーポップバンドのレヴューをお仕事で書くことになるも、まず最初にこれが困った。ていうかわたしは国内バンドや即売会リスナーだったからあまり評論家がおらず、ジャンルに疎くとも「OOさんがすき」というだけでDIGれてしまう。でも流石にFuture BassとDub Stepしか知らないのは偏り過ぎだって。そもそもハウスとテクノが同じだと思ってた。

しかしこれは仕事なので頑張らなくては、と意気込んで1年頑張ってムーラボコンピとか企画して出して辞めて今に至るが、たまに作曲でお金をいただいたりライブでお金をいただいたりするようになって思ったのは、音楽ジャンルは名乗ったもん勝ちで、しかしこれがなければまず語ることも難しい、自分にとっては第二言語のような存在なのだなあということだった。

アーティストによって固有の音楽ジャンルってあるよね。あたしが大好きなYoshino Yoshikawaさんとかだったら「ULTRAPOP」だし、それにあやかって自分がnemuigirl始めた時も「NEONPOP」って付けた。いまめっちゃ流行って、HyperFlipって呼ばれ始めたdariacoreも元々は個人ジャンルだったと思ってて。だからKAOMOZIおよび、その周辺にうっすらと根付いてる歌モノゆらゆらブレイクコア混ざり変拍子みたいだけど変拍子じゃな~い刻みこまかい系エレピポップスのことをこう呼ぼうと思います。「BendCore」と。

正直わたしが好きなアーティストが偏っているというのはあるけれど、Mチネでリリースしようとしてた友人が某音楽家っぽいという理由で没になったデモがあるというのはなんか勝手に悔しくて、ちょっとやきもきする部分があった。勿論似すぎてるのはアレだけど、その方に関しては確実に影響をバリバリ受けてる下の世代が育ってきてるのを超目の当たりにしていて、歌モノ大好きなインターネットレーベル・リスナーとしてはどうしても拾っていかないといけない部分だと思っているのです。逆にわかりやすいクラブ・ミュージックらしさはasia周りとかのパーティーシーンに任せておけばいいよ。あたしは2010~2014年あたりのMチネとかAテマとかの歌モノ電子ポップスが凄く好きで、コロナも相まってベッドルーム・ポップス偏重になったいまの音楽シーンでそれはそれで語るべきルーツだと思ってる。

ノリで名付けて各種SNSで被ってなさそうなの確認したので勝手に言ってますが、PitchBendとBreakCoreからきてます。ありがとうございました。

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