「Black Journey」シブヤ Fling Posse、旅の途中の現在地
何故私が観音坂独歩の誕生日なのに、シブヤの曲についてのnoteをアップしているのか?
その答えはただ一つ……
今日がぁ、ヒプマイ結果発表SPで決勝へ進むチームが発表される日でもあるからだぁぁぁ!!!
ま、嘘ですけどね。(独歩、誕生日おめでとう!!)
まずはこちらの曲を聴いていただきたい。
ヒプノシスマイク2ndラップバトルのシブヤVSヨコハマのバトルでシブヤ・ディビジョン〈Fling Posse〉の新曲として発表された「Black Journey」という曲だ。
初めてライブで聴いた時には衝撃を受けた。
間違いなくあの時のFling Posseの集大成であり、最新だった。
そして、きっとこれからも更新されていくであろう彼らの「もっと先」を見たくなるような曲だった。
Fling Posseの愛情の歌としての「Black Journey」
私は、この「Bblack Journey」という曲を、Fling Posseの3人が互いのためだけに向け合う愛情を乗せた曲だと思っている。
「Bblack Journey」の歌詞を吟味してみると、リリックの一つ一つがFling Posseのメンバーそれぞれの完結した自分語りであり、自分以外の2人のためだけに用意した言葉として読み取れる。
幻太郎の「君たちと笑いあえる 時を待ってる」も、帝統の「お前がお前じゃない? 知らねえ 俺はお前しか知らねえ」も、乱数の「隣に笑うお前らが 俺を俺じゃなくさせていた」も、決してお互い以外の存在へと向けられた言葉ではないのだ。
まるで、「俺ら」以外の存在は全く意識されていないかのように。
Fling Posseの3人はそれぞれ育った環境や境遇こそ違うが、3人とも本当は自分たちが生きていく世界を愛したかったけれど、どうしてもそれができなかった人なのだと、私は感じてしまう。
そんな彼らが出会い、チームを組み、お互いを知った先に芽生えた「俺ら」だけに伝わればいい思うような想いと決意をこの曲で形にして、特別にこの世界に見せて触らせてくれたのだ。
世界なんか愛せなくたって、「俺ら」は「俺ら」を愛していくのだと。
「Shibuya Marble Texture -PCCS-」の先にある「Bblack Journey」
私は、3人がそれぞれ持つ違う色で作ったマーブル模様で染め上げていくのが「Shibuya Marble Texture -PCCS-」で、その3つの色が混ざってできた新しい色を塗っていくのが「Black Journey」だと、解釈している。
パレットの上で、異なる色の3つの色が出会った。
そのうちに色は少しずつ混ざり合い、マーブル模様を描く。
そのマーブル模様は混ざれば混ざるほど細かい模様になっていき、最初のうちはくっきりとしていた色同士の境界はどんどんと曖昧になっていく。
いつの間にかマーブル模様は消えていて、そこには新しい色ができていた。
混ざってしまった色たちはもう元の色には戻れない。
こう考えると、「Reason to FIGHT」の「シブヤの3は3つにゃ割れない 3こそが1」というリリックも、Fling Posseを3つの色を混ぜて作った1つの色として表現しているようにも思えてくる。
例え、元々は同じチューブに入っていた絵の具でも、パレットの上で少しでも違う絵の具と混ざってしまえばそれは別物だ。
どれだけ工夫して絵の具の分量や配合、混ぜ方などを再現しても、全く同じ色を作るのは不可能に近い。
そして、その絵の具が入っていたパッケージに何が書かれていたとしても、パレットの上で見せてきた色が無かった事になる訳じゃない。
パレットの上では、あくまでもそこで見せた色が全てだ。
飴村乱数のクローンが何人いようが、Fling Posseとして共に歩んできた乱数はたった一人だけで、幻太郎と帝統にとって唯一無二で代わりがいない存在である。
そして、幻太郎が本当は「夢野幻太郎」じゃないとしても、彼が乱数と帝統と共に戦ってきた Posse(仲間)だという事は変わらず、過ごしてきた時間は決して無かった事にはならないのだ。
だから、帝統は「Black Journey」で「お前がお前じゃない? 知らねえ 俺はお前しか知らねえ」というリリックを放ったのかも知れない。
「Stella」の先にある「Bblack Journey」
私は、Stellaに出てくる3つの星は1つの星座ではないかと考えている。
星座というのは恒星同士の見かけの並びでしかなく、一部の星団を除けば1つの星座として並ぶ星々には天文力学的な関連は持たないことが多い。
地球からは星と星が隣同士並んでいるように見えても、それはたまたま同じ方向に見えているだけであり、当の星々は全く違う座標の上にいて遠く離れていたりするものだ。
「Stella」に出てきた「焼け落ちた剣の星」、「右側が水晶、左側が砂の星」、「光り方を忘れた隅っこの星」、これら3つの星も星座として見かけだけ並んだ遠く離れた星々だったのだろう。
「焼け落ちた剣の星」から逃げた王様は、「右側が水晶、左側が砂の星」で盗賊と出会い、2人は「光り方を忘れた隅っこの星」で科学者と出会う。
星が流れ、彼らが同じ流星を仰いだ時、遠く離れていた星々が互いを見つけてしまったのかも知れない。
もしも星が流れなかったら、もしも彼らがその流星を仰ぎ見なかったら、何か1つでもズレていたら星々が互いを見つけることはなく、3人は交わることはなかったかも知れない。
そしてFling Posseは、乱数が幻太郎と帝統を見つけ、そこで幻太郎と帝統は互いのことを知った。
きっと、本来ならば出会うこともなかったであろう3人だ。
そして、「見つける事」の先には「見る事」があり、さらにその先に「見つめる事」がある。
「お前自身を見つめれば きっと答えがある」でも、1人で自分自身を見つめ続けるのは難しい。
ふとした時に自分が見えなくなったり、大事な事を見落とししてしまったりする。自分自身から目を反らしたくなる瞬間もある。
そんな時に自分を見つめてくれる自分以外の誰かのがいる事が、命綱になる。
違う視点からの景色を教えてもらって、その景色がより自身を強くする。それによって己の中の歪みに気付く事もある。
これはFling Posseに限らず、今回の2ndラップバトルにおける各ディビジョンに共通して言える事だと思う。
次に踏み出す一歩目を間違えないように気を付けていても、旅路の途中で迷う事があるかも知れない。
だから、自分が向かうべき場所どころか自分が今いる所さえわからなくなってしまいそうな時は、互いに触れて現在地を確かめれば良い。
そうして、またFling Posseの3人は自分たちが行きたいと思った場所を目掛けて真っ直ぐ足を進めていく。あくまでも自由に、軽やかに、でも力強く次の一歩を踏み出すのだろう。
11/28.追記:Fling Posse優勝おめでとうございます。3人の旅路に幸多からん事を祈ります。
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