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SAB-on「権乱業火-火に咲く花-」

2023年も終わりますね。毎年恒例「うわーーー今年まじでなんもしなかったわーーー」の季節になりました。最早毎年恒例なら、それでいいのでは?大人になってから、何かを成し遂げる、というのは難しいししんどいものなんだな、という悲しき気づきを持ちつつ、年末。

今年最後の芝居自現場でした。9月にお世話になった畑中さんの所にまたお世話になりまして。
ここのカンパニーはいつも楽しく観劇させてくれるので好きです。駅で拾った落し物届けたら、ちゃんと落とした方にお渡ししてくれたみたいだし。その節は色々とありがとうございました。

今年の5月に初演があった、「権乱業火」の続編。続編から参加だったので、うわー、これ大丈夫かなー。て思ってたんだけど、設定軽く頭に入れておいたら割と初日からどうにかなりました。ただ、あのー、組員みんな名前の頭にその組の名前が付くもんだから分かりやすいんだけど、あれ、誰?!ってなること数十回。まあ、人って慣れますよね。

そんなこんなで、火消しの話。
時代設定が明確にある感じではない、なんというか、if世界のような。こういう世界線もあったかもね、みたいな。
女の子ばっかりの組、男女が混ざった組、男所帯の組、色んな編成があって、それも楽しい。どの組も、組員たちは家族同然の付き合いがある。
この世界の火消しには、官火消し、都火消し、野火消しの3ランクあって、点数制で競い合って入れ替わったりしてしのぎを削りあってる。
組には、頭領と若頭と呼ばれる役割を持つ人もいて、頭領は文字通り組のリーダー、若頭は、火事が起きたら纏旗を持って真っ先に飛び出して火事場を取る役目がある。

とまあ、そんな設定を頭に入れておいて。


色々あるんだけど、私が1番何かを思ったシーンは、若頭の雷星が、妊娠してたことを組員や流に伝えるシーンで。

まあ正味今回の芯ってここだと思うんだけど。

このシーンの、流の言葉、すごく真っ当なことを言ってるんだけど、正直男の考え方だなあって勝手に思った。

男ってさ、自分の子供が出来てもさ、変わらず仕事もできるし、飲みにも行けるし、遊びにも行けるし、なんでも出来るじゃないですか。物理的な話ね。

でもさ、女って妊娠したら、どうしたって動きに制限は出てくるし、生活に支障は出るし、どんなに頑張っても産前産後1・2ヶ月ずつはどんな仕事であれ休まざるを得ないし、趣味だってできないことの方が多くなるし、飲めなくなる飲み物があったり、食べれなくなる食べ物があったり、するわけじゃん。私は妊娠したことないから実際は分からないけど、通常時とは違う状態になることくらいは分かる。

雷星がしてる仕事って、火消しって、どう考えたって妊娠した人には辛すぎる仕事で、辞めざるを得ない仕事なわけで。どうしても自分が抜けられない、抜けたくない時期に妊娠してしまったら、そりゃあ雷星の言動になるよなーって。

でも、流が言ってくれることは真っ当に正論で。子供が産まれたいと思った時がタイミングだし、そのタイミングを迎えてくれた子供にはおめでとうだし、家族も同然の組員たちもそれを喜ぶのは筋。

難しいよね、妊娠って。好きな人との子供ができるってことは幸せな事だし、ましてや、雷星は、亡くなった(前作冒頭で)狼太との子供だから尚更。喜びたいはずの出来事を、喜べない、そんな自分がしんどくて。色んな葛藤を感じてとっても苦しくなった。

だからこそ、自分の後を継いでくれる雷電って存在がいて、自分事のように喜んでくれる頭領の雷夢がいる雷火だから、雷星が母になることを選べたんじゃないかなって。そして何よりも、流の存在があったから、素直になれたんだろうなって。
きっとあの場に流を呼んだのは、雷夢なんだろうなあって。素敵な家族だ。


推しくんの猛祭にも色々思うところはあるんだけど。この人の立ち回り方ってムズいよね。ヤな奴にしか見えないんだけどさ、それだけじゃないっていうか。彼も彼なりに、猛火を守りたいって気持ちで動いてるからあの言動だよなあって。

猛破とのシーン、役者同士も仲良しなの知ってるからしんどいけどめちゃくちゃ激アツで。ここの芝居がさ、ほんと、毎回全然違うの。ずっと手紙に書いてたけど、大好きなんだよね。芝居なんだけど、フィクションなんだけど、芝居じゃないの。そこにある空気が彼を奮い立たせて、感情の赴くままに、言葉をぶつけてく、だからこっちも心が動く。本当にすごい人。初めて見た時はこんな人とは思わなかったな。なーんにもできない、顔だけの人だと思ってた。ずっと努力を欠かさない人だから、ここまで来れたんだなって。さすが私の推しくんだなって。ずっと思ってるけどね。

色々纏まらない部分はあるのですが、2023年を締めくくる、素晴らしい作品に5日間8公演通えたこと、幸せでした。
色々とふれんずにお世話になりまして、感謝。
公演期間にお世話になった全ての方に感謝。

いつも欲しい時に欲しい言葉をくれる君が1等賞🌟
だいすきだよー!

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