”青春の終わり”を迎える歌い手たちへの提言

ボーカリストで27歳から30歳くらいの境目にある人に、一つだけモノ申しておきたいことがある。特に無茶なハイトーンを好んで歌っている男の子のボーカルなんかは特に。

その時期、必ず、シンセサイザーの音とかに合わせて、必ず、音程を取る訓練を欠かさずやって欲しいのだ。

というのも、その時期に、声帯に変化が起こりだす人が多いので。

認めたくは無いだろうが、それが老化の第一歩だ。

昔のような高いトーンの音を出そうとした時に、そこでピッチが低い方に狂って来る。

ところが、元から音程を取る練習など癖付けてない人の悪癖として、何となくカラオケで歌ってたり、CDに合わせて口ずさむ程度の練習しかしてない人が多すぎる。

そのために、自力で自分の歌の音の狂いを直せない人が多い。

音程に合わせて練習とか、バンドの音にちゃんとジャストチューンで合わせるのではなく、家で声を出して練習した時の「喉への力のかけ方」というか、いきみ具合で音の出し方を「子供の頃にこの力具合で出してたら、声が合った」みたいな体感覚で歌ってる人が多い。

つまり、音程を取っているのではなくて、喉のいきみの力加減で何となく歌っているだけ。このおかしな癖を抜くのが、トコトン時間がかかる。

そんな感覚で歌ってるもんだから、いざ、27~30歳位になって、かなり喉に負荷がかかる歌で無理して歌ってたトーンなんかが出せなくなったり、普通に歌っても、バンドの演奏から、かなり低い方で歌って、全然音程になってない、なんて人もいる。

声は都度都度、自分の声が、どのくらいピッチ下がりしたか、ってのをチェックして、チューニングを常にするくらいでないと、自分の老化に伴う音程のブレを直せないのだ。

耳で聞いて音程を取るのじゃなくて、音源に合わせて、何となく歌を練習してるだけの人は猶更だ。

自分で楽器を持ちもせず、そこでのハーモニーを取る練習などしたことも無くて、何となく歌ってるだけなんだな、こいつ、というのを何人も見た。何となく歌ってるだけで、歌が歌い続けられる訳がない。

耳で聞いて音程が取れないボーカリストなど、どんなに誤魔化しても評価などされるわけがない。20代前半は若さの勢いや見た目で誤魔化せても、30歳過ぎの道は容易ではない。

私は昔から自分で曲を書いて、カセットなり何なりにレコーディングする宅録派のミュージシャンだったことも幸いして、その事に、常に気づく環境にあったが、若い頃から、バンドの中で何となくメンバー任せで歌ってるだけで、自己研鑽怠ってる人は、30歳を過ぎても誰もその歌を評価などしない。

寧ろ、見よう見まねのあてずっぽうで、練習もせず歌っているだけだという、底の浅さも暴かれる。耳で聞いて、バンド演奏に合わせるとかやってたわけでもない、ただ歌詞のようなモノを書いて、声を張り上げてた程度だという事が暴かれてしまうだけだ。

大体、耳で聞いて、最低レベルの音程が取れてないボーカリストを、上手いなどと評価する人間はおらんよ。

歌詞にこだわる、言葉の大切さを、とか言ってる奴ら程、自分が勢いにのって声を出しているとか、リズムに乗って声をだしてる、歌詞を間違えずに歌えた、そんな所ばかり気にしてる。

それ以前に、音楽である以上、歌が適切な音程に落ちてるかどうかを、セルフチェック怠ってないか?

そこから先、老化が進むにつれて、自分が狂った音程で歌ってないかと、セルフチェックしなければいけない局面は何度も何度も訪れる。

諸行無常の声の響きと付き合って、
生涯歌と付き合っていくと決めたのならば、

まず、自分は老化する生き物だとさっさと認めた方がいい。

老化に抗ってるのは無益だ。


隠せもしない老化、それを自力で整えられない人が、格好だけ体裁つけて、自分が若々しい振りしてたって、見苦しくもみっともなく無様なだけでしょう。

同じボーカリストのよしみ、誰がどうなんていうつもりもないが。

耳で音を聞いてない、取れない音楽屋など、音楽屋とさえも呼べまいよ。
自分を天才と勘違いしただけの無様なピエロになる前に、自らの力で老化を超えろ。

君の声はそこで終わりではあるまい。
そうやって消えて行った過去の人たちと、同じ過ちを何度も繰り返すな。


お前はお前の歌を生涯、歌い続ける覚悟を決めろ。
老化の存在を認め、謙虚に立ち向かえ。

それが老化を超えて、戦い続ける唯一の道だ。


喉のいきみだ、何となくの力加減で歌える局面は、20代の前半でも卒業しとけ。カラオケの延長戦だとバレるような無様な姿を、お客さんの前で晒したら恥だぜ?

俺は歌えてるなんて、おかしなプライドで事に当たるな。
だから、お前は音楽の神様のしっぺ返しを食らうのだ。

さっさと「カラオケの延長戦で歌ってる勘違いした素人」を卒業して、”ボーカリスト”になれ。

いつまでもズルズル、カリメロみたいに若さの殻を貼り付けてんなよ。

私の友達が、お前に恥をかかせまいと、あんな言い方をしてたのも、お前への愛あってこその苦言だったと分からない奴は・・・。

俺も、そんな奴らに見切りをつける段階だ。

そもそも、演奏と歌が合ってない事を、自力で分かってないまま歌い続けてるとしたら。

・・・致命的な音感の無さだろう。

分かってて、敢えてサボってるのと、その事に最初から気づいてないのでは、天と地ほどの開きがあるんだがねぇ・・・

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