栄養学講師の血液検査結果全て公開します
少し報告が遅れてしまいましたが、2020年9月に血液検査してきました!
栄養学講師の健康状態って気になりますよねw
なので全て公開します!!
(血液データで全てが分かるわけではありませんが)
血液データを公開してる人ほとんどいないと思うので貴重ですよw
血液データ
こんな感じです!
血液解析を勉強したことがない方は健康か不健康なのか判断できないと思うので少し解説します!
血液データ解析
まず結論から言うと、全ての数値で大きく問題となるところはありません。
血液データからは「概ね健康である」と判断します。
(※だからといって絶対健康であるとは結論づけられません!何度も言いますが血液データだけでは全てを判断できません。)
ただ血液解析を学んだ方は、「これは異常値では?」と気になる点もあると思います。
その部分を解説していきます!
MCH
MCHとは赤血球1個当たりの、平均ヘモグロビン量のことです。
今回の検査結果:29.5pg
一般的な血液検査の基準値:28〜34pg
血液栄養解析の基準値 :31〜33pg程度
31〜33pgより低ければ、タンパク不足・鉄不足と判断する考えがあります。
では私は「タンパク質不足、鉄不足」なのかというと、そうではありません。
血液データはあらゆる因子により変動しやすいので、様々な数値を総合的に判断する必要があります。一つだけの数値を鵜呑みにすることはできません。
赤血球、ヘモグロビン 、Ht、MCHC、フェリチン、総蛋白、A/G比、アルブミン、γ-GTP
複数の項目で「タンパク質不足、鉄不足」を否定していますので、MCHのみ若干低くても問題ありません。
ペプシノーゲン
ペプシノーゲンは胃粘膜から分泌される物質で、粘膜が萎縮した状態になると低下するため、胃粘膜の萎縮度(老化度)をみることができます。
さらにペプシノーゲンは「ペプシン」という消化酵素の元となる物質でもあるので、タンパク質の消化も評価もできるとされています。
今回の検査結果
ペプシノーゲンⅠ:46.8ng/mL
ペプシノーゲンⅡ:7.1ng/mL
Ⅰ/Ⅱ比 :6.6
全く問題のない数値ですが、この数値を異常と判断する考えがあるので解説しますね。
ペプシノーゲンⅠの数値が50を下回ったら、胃酸分泌低下による消化不良と判断することがあります。(※ちなみに今回行った病院ではペプシノーゲンⅠが70以下なら異常とのことです)
ペプシノーゲンⅠが46.8ng/mLは完全にアウトですねw
しかし、ペプシノーゲンの数値は本来そのように使いません。
少し詳しく解説します!
まずペプシノーゲンは胃粘膜の萎縮をみる検査です。
本来、胃酸分泌能力、消化能力を判断する項目ではありません。
「消化能力は大まかに判断できる」くらいだと思ってください。
その理由として、「個人差が大きいから」です。
ペプシノーゲンは胃の中に分泌されているものです。
なぜ血液検査でわかるかというと、胃の中に分泌されるペプシノーゲンの約1%の量が血液中に流出しているからです。
ただ、実際に胃の中の分泌量をみているわけではないので、かなり数値が変動しやすく、個人差が大きいと報告されています。
そのため評価する場合は、ペプシノーゲンⅠだけで判断することはしません。「ペプシノーゲンⅠ」と「ペプシノーゲンⅡ」「Ⅰ/Ⅱ比」を総合的に判断する必要があります。
ペプシノーゲンの数値が異常であるかどうかを判断するときに、必ず「ペプシノーゲンⅠ」「Ⅰ/Ⅱ比」が両方とも異常値であることが判断材料となります。
「ペプシノーゲンⅠ」だけが低くても「Ⅰ/Ⅱ比」が正常であれば問題ないことが多いです。
ペプシノーゲンⅠ: 主に胃底腺主細胞(胃の下半分や胃底部や胃体部)から分泌
ペプシノーゲンⅡ: 主に胃底線の他噴門線、幽門腺、十二指腸腺など胃全体から分泌
なぜかというと、胃粘膜の萎縮は胃底腺を中心に起こります。
胃底腺から主に分泌されるペプシノーゲンⅠが主に影響を受けます。そのためペプシノーゲンⅡの数値は下がりにくく、「Ⅰ/Ⅱ比」が低下していきます。
そのため、今回の検査数値は全く問題ありません。
ペプシノーゲンⅠ:46.8ng/mL
ペプシノーゲンⅡ:7.1ng/mL
Ⅰ/Ⅱ比 :6.6
・ペプシノーゲンは変動しやすく個人差が大きい
・そのためペプシノーゲンⅠだけではなくⅠ/Ⅱ比もしっかりみる
・そもそも消化機能をみる項目ではなく、胃粘膜萎縮をみる検査
この3つを忘れずにしましょう!
AST、ALT
次に気になるのはAST、ALTでしょうか?
この数値を重要視している方が多いですが、これも他の検査数値と総合的に判断する必要があります。
AST・ALTは細胞の中にある酵素であり、細胞が炎症などによって壊れた時に数値が上がります。
AST:肝臓、心臓、筋肉などの細胞に多い
ALT:肝臓の細胞に多い
例えば、筋トレを頑張っている方は筋肉が壊れ、ASTの数値が上がります。
肝臓に炎症がある方はALTが上がります。(ASTも上がりますが)
この数値が低くなるというのは、
「細胞の分解が少ない」「タンパク質不足」「ビタミンB6不足」と判断されます。
しかし、「筋肉量が少ない」「運動量が少ない」「肝臓への負担が少ない」場合も数値は低くなります。
運動しなければ筋肉が分解される量は少なくなるのは当たり前ですね。肝臓の炎症も少なければ分解される量は少なくなります。
AST・ALTが低いからといってタンパク質不足、ビタミンB6不足とすぐに判断するのは危険です。AST・ALTだけで判断するのではなく、他の検査数値と合わせて評価しましょう。
総蛋白、アルブミン、A/G比、ALP、LD、コリンエステラーゼ、BUN、γ-GTP、コレステロールなど
私はAST17、ALT15です。
両方とも20程度を基準にする場合が多いため、この数値だけで判断されると低下していると言われてしまいます。
しかし、私の生活ですが、
①デスクワーク中心で運動量が少ないこと
②肝臓への負担を少なくするような生活を心がけていること
③他の検査数値でタンパク質不足、ビタミン不足が見られない
総合的に判断すると問題ないことがわかると思います。
LDH(乳酸脱水素酵素)
これは細胞の中にある酵素であり、細胞が壊れることにより数値が上昇します。
肝炎など肝臓が悪い場合、赤血球が溶血などで壊れた場合、心臓の筋肉が壊れた心筋梗塞の場合、がんの場合などで上昇します。低い場合は問題としないことが多いです。
今回の検査結果:118
一般的な血液検査の基準値:120〜245pg
血液栄養解析の基準値 :180前後
この数値もAST・ALTと一緒で身体の異化(分解)が起こっていないと低く出ます。細胞の壊れている量が少ないということです。
この時期に運動をあまりしていなかったこと、肝臓への負担をかけなかったことが今回数値が低かった最大の要因だと思われます。
(食事からのタンパク質が不足しているなら、他のタンパク質の項目も全体的に低下するはずです)
この数値も他の検査数値と総合的に判断しなければいけません。
まとめ
血液データというのは複数の要因により変動しやすいため、総合的に判断する必要があります!テストの暗記のように、これが低ければビタミン不足・タンパク質不足であると覚えているだけでは判断を誤ってしまうことがあります。
本来、栄養状態をみる指標に使われていないものが使われているため、科学的根拠に乏しいものも多々あります。
そして血液検査とは血液の状態を見るもの。一番大事な細胞の中を見ることはできません。そのため血液データによる解析は限界があります。
血液データだけでは全てを把握することはできません。
「症状」と「実際の食事」と「血液データ」の3つを俯瞰して考えましょう!
血液データは参考程度にしないと判断を見誤ることがあるので注意して下さい!
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