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「早春賦」をわかりやすく解説

みなさんこんにちは。おっちβです。
今回は吉丸 一昌作詞「早春賦」の歌詞の意味を解説をしていきます。

いまの小学生はちんぷんかんぷんになるような言葉も混じってますがしっかり読み込めばとてもわかりやすい歌詞です。

この記事のワークシートはダウンロードすることが可能です。無断転載・配布・販売を禁じます。


①まずは詩を音読!

 春は名のみの 風の寒さや
谷のうぐいす 歌は思えど
時にあらずと 声もたてず
時にあらずと 声もたてず

氷融け去り 葦(あし)はつのぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日も昨日も 雪の空
今日も昨日も 雪の空

春と聞かねば 知らでありしを
聞けばせかるる 胸の思いを
いかにせよと この頃か
いかにせよと この頃か

重要な単語

  • 時にあらず…まだすべき頃ではない

  • 声も立てず…声を出さない
         ≒鳴いていない(ウグイスが)

  • 葦(あし)…イネ科の多年草

  • 葦はつのぐむ…葦の芽が角のような形をしている様子

  • あやにく…あいにく

  • 知りでありしを…気がつかないはずだった

  • いかにせよ…どのようにしたらいいのか


②詩を理解する!

合唱で歌う際、ただひらがなを追いながら歌うのと詩の風景をイメージしながら歌うのでは無意識に歌い方が変わってくるものです。

まずは歌詞を現代風に訳してみましょう。

春とは名ばかりの風の寒さ
谷のウグイスは 歌おうと(鳴こうと)するが
まだその時ではないと 声も出さない

氷は解け 葦(あし)は芽吹く
   もう春が来たかと思ったが
あいにく 今日も昨日も雪模様だ

   春だと聞かなければ
   知らなかったのに(気づかなかったのに)
   聞いてしまったからそわそわしてしまう
   この気持ちをどうしたらいいのか 今の時期は…

普段読んでる言葉にすると
なんとなくはわかるようなものの
まだぼんやりとしたイメージではないでしょうか…

この文書を小学生は理解できるでしょうか?


③自分が理解できる言葉に訳す!

高校の古文の授業じゃないので、正しく訳す必要はありません。歌い手が何のために訳すのかといえば
あくまで「風景をイメージ」するためなのです。

〜背景知識〜
「早春賦」を作詞した吉丸一昌は、大正初期に長野県穂高町で見た雪解け風景に感銘を受けて「早春賦」の詩を書き上げたとされている。

雪国の長い冬がもうすぐ終わろうとして
少しずつ太陽の上がっている時間が長くなってきた。
でもまだ寒い。

そんな風景をイメージすれば良いのではないでしょうか。

1番を訳してみます。
「春は名のみ」…春というのは名前だけ
暦の上では春!今は3月なのに(寒い) 
というのが分かれば良いのです。

こんな訳し方はいかがでしょうか?

カレンダーは春になったけど
まだまだ冷たい風は吹いてるし

    春になれば「ホーホケキョ」って鳴く
谷のウグイスも
   “まだ春ではない”と思ってるのか、
鳴いてないじゃん。

これならわかりやすいのではないでしょうか。
カレンダー(暦)は春になってるけど
まだ寒いから体感は冬。
ウグイスも同じこと考えてるでしょ?

もちろん、正しくは訳せてません。余計なものも加えてます。
しかし、風景は吉丸が見たものと同じようなものではないでしょうか?

同じように2番と3番も訳してみます。

氷が解けた池の 
角みたいな草が芽を出してるから
もう春が来たのかぁっと思ったものの
空の雲は昨日と同じで雪を降らしそうだ。

まだまだ寒いから
今が春だって聞かなければ気が付かなかったのに
知ってしまったからなんだかソワソワしてしまう。
今は落ち着きたいが
この気持ちをどうしたらいいのかわからないよ、、、

こちらもやはり、余計なものを加えたりして正しくは訳せてはいません。
しかし、何の話をしているのかは
わかりやすくなったかと思います。


いままでただひらがなを追っかけてだだけの人は
この知識を入れるだけでも歌い方が変わるはずです。

  • 寒い風に吹かれて震えるイメージ

  • 外に出てもなにもすることができない雪国の冬

  • もうすぐ暖かい春が来るワクワク感

あとは、みなさんの練習次第です!

この記事のワークシートはダウンロードすることが可能です。無断転載・配布・販売を禁じます。

それではみなさんごきげんよ。

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