君が腕に抱えてた紙袋が破れて
幼い頃、泣き虫だった私。
きみはいつも私を心配して、隣にいてくれた。
私はきみのやさしさに憧れていた。
小学生の頃、涙を隠すように走り去ったあの子。
あいつはあの子を追いかけ、寄り添った。
私はあいつのやさしさに憧れていた。
中学生の頃、一人きりで泣いていた彼女。
彼はそんな彼女を笑顔に変えてみせた。
私は彼のやさしさに憧れていた。
高校生の頃、私の隣で涙を流したあなた。
私には何もできなかった。
憧れていたやさしさは私にはなかった。
「やさしさとは」
ずっと考えてきたこと。
ある曲を聴いた。
タイトルに惹かれたから。
それは大好きなアイドルグループの曲だった。
やさしさとは 何なんだろう?
君に駆け寄る速さか
それとも落ちた涙を一緒に拾うことか
やさしさとは 何なんだろう?
君を慰めることか
『あるいは涙の理由を何も聞かないことか』
私ももしかしたら、誰かにとっては……。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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