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【リモホス】Club Venere 第9話【リモート☆ホスト】

2021年の営業は12月28日で終了した『Club Venere』。

翌日、29日に大掃除をした後は、年明け1月4日まで年末年始のお休み、久しぶりの長めの連休となる。

この間、『Club Venere』のホスト達はどこで誰とどんなことをして過ごしていたのだろうか。

――まずオーナーのルシフェル。

年の瀬も押し迫った12月30日。
その日はかつてのホスト仲間ルーナの命日。
ルシフェルは毎年恒例となっている墓参りをする為、ルーナの故郷である京都に向かった。

そこでルシフェルは、『Club Saturno』のオーナーであり、こちらもかつての仲間であるクロノスと再会を果たすのだが、クロノスは急いでいた様子でほとんど会話することなく、二人は別れた。
おそらくまた彼らが再会するのは、年明けに開催されるラスソングランプリであろう。

墓参りを終えたルシフェルは東京に戻ると、帰り道にある主に輸入高級食品を扱うスーパーへ。1週間は買い出しに出なくとも大丈夫な量の食材をたっぷりと買い、自宅マンションへ戻った。

基本、ルシフェルは年末年始、自宅にこもる。
ホストでありながらも店の経営を行っている彼は、毎日忙しく過ごしている為、年末年始くらいはどこも出かけず、とにかく家でゆっくりと自分時間を過ごしているのだ。

自宅マンションに帰ると、買ってきた食材を一気に調理。といっても、基本はつまみなので切ったり、分けたり、皿に乗せ換えたりするだけだ。

冷蔵庫の中は食べ物とお酒でいっぱい。しかも、取り出せばすぐ食べられる完璧な状態になっている。

さぁ、これで自分時間の開始だ。
毎年恒例の年末年始ルシフェルのサスペンスマラソンが始まる。

古くはヒッチコックのサスペンス映画集から、日本のなぜかラストは海岸の崖っぷちで犯人を問い詰めるベタベタ2時間サスペンスまで、とにかく食べて飲んでをしながらずーっと見続けるのだ。

あぁ、これぞ、年末年始、至福の時……。

だが、今年に限っては邪魔モノが入るとはこの時はまだ知る由もないルシフェルであった……。

   ×   ×   ×

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