【リモホス】Club Venere 第12話【リモート☆ホスト】
進級、進学、就職、転勤……。
春は多くの人の環境が変わる季節。
別れもあれば、新たな出会いもある。
少し寂しいながらも、なぜか浮き足立つような不思議な気持ちになる。
『Club Venere』のオーナーであるルシフェルは常々、ホスト達にこう話す。
――環境の変化がある春こそが新規の姫を獲得できるチャンスだ、と。
そして……
――ホストとして社会貢献ができる非常に重要な季節、だとも。
夜の仕事と安易に思われがちなホストという職業。しかし、ルシフェルは都会で頑張る姫達に安らぎや明日を生きる力になれることを理想としている。
4月は就職や入学で上京してきた姫達が一番心細さや不安を感じる時期。
だからこそ、そんな姫達をやさしく満たし、新たな環境で生き生きと過ごせるよう道筋を立てるお手伝いができれば……と考えていた。
これこそが、ホストの醍醐味である、と。
ルシフェル「さぁ、4月だ。気持ちも新たに姫達を迎えてくれ」
愛抱夢「もちろんだよ、Lu様。4月は初めてうちの店に来るイブ達も増えるしね。しっかりとおもてなしするよ」
夕星「新しい環境で起こる肌トラブルもこの私が癒して差し上げましょう」
輝石「俺は姫にオリジナルハーブティでゆったりとしてもらうつもりさ」
ルシフェル「ああ、頼んだ」
その時、ふと明星がある違和感を感じる。
明星「――なんだか随分と妙じゃねーか?」
愛抱夢「妙って?」
輝石「実はそれ、俺も感じてたんだよね」
夕星「私もです」
愛抱夢「え? 何? 何? Lu様は分かる?」
ルシフェル「ああ。実に妙というか、嫌な予感しかない」
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