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【リモホス】Club Venere 第11話【リモート☆ホスト】

――ホストクラブの賑わいには時期によって波がある。

もちろん、バースデーイベントなどは時期に関係なく盛り上がるが、年間を通しての一番の盛り上がりは、クリスマスから年末にかけてだ。

その反動からか、年明けの1~2月にかけては閑散期となるホストクラブが多い。なぜなら年末年始に散財した姫達も節制するからだ。

――『Club Venere』も例外ではない。

1年で一番売り上げの厳しい時期……。
それがまさに1~2月である。

しかし、通りの梅の花が咲き始め、少しずつ冬の終わりを感じ、春に向けて心がウキウキし始める……それが3月ではないだろうか。

――3月3日。『Club Venere』の開店前。

フロアではひな祭りイベントに向けて、下っ端ホスト達が春らしく飾り付けをしている。少しでも早く姫達に春を感じて貰おうという、オーナー、ルシフェルのアイデアである。

シャンデリアやゴールドの調度品など、ゴージャスな感じでまとめられた店内のあちこちにはピンク色の花が飾られ、フロア中央には、どこから持ってきたのか、本物の桃の木がデン!とそびえ立ち、ひときわ存在感を出している。

店内の飾り付け準備がだいぶ進んだところでトップ5達が続々と出勤してきた。まずは愛抱夢である。

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