ホタテのカルパッチョと低温調理のサーモン アルト・アディジェの山のワインの繋がりは
仕事上がりの同僚と美味これくしょん神田倶楽部へ。オーソドックスなメニューの料理のなかに、きらりと創意工夫が光る。
サツマイモと生ハムのサラダ、ホタテのカルパッチョ、低温調理サーモン、雛鳥のグリルを注文。後半の料理のボリューム感に合わせて樽の効いたカリフォルニアのシャルドネか、軽めの赤ワインかと迷ったが、前半のシーフードとの相性を優先しイタリア北部、オーストリア、スイスと国境を接するアルト・アディジェでピノ・グリージョ品種で造られたものを頼んだ。
カルタン, ピノ・グリージョ, アルト・アディジェ, イタリア, 約4,000円 (レストラン価格), 美味これくしょん神田倶楽部
Kaltern, Pinot Grigio, Slto Adige, DOC
青リンゴなどにグレープフルーツの柑橘香が混じる。酸味は中庸、果実味の要素はピノ・グリージョらしく親しみがありピュアで清々しいが、干しワラ系のニュアンスがほのかに抜けやや閉鎖的な印象も余韻に残る。
ワインを料理に合わせていく。先ずはホタテのカルパッチョに。
柚子ソースが振られていて、ほうれん草をジェノベーゼソースのように仕立てたソースが添えられている。白とグリーンとピンクペッパーの色合いが鮮やかなひと皿。ワインの果実味とワラっぽいヴェジェタルでやや陰影のあるボディが、海の香り豊かなホタテにはややミスマッチか、若干の磯臭さが立つ。柚子ソースが繋がりをなんとか保とうとしてくれるがそれでも余韻の印象はよろしくない。イタリアといえど山や海といろいろな産地がある。ホタテには、選択肢があれば海寄りのワインをセレクトすべきだ。
相性: ★★☆☆☆
続いて低温調理のサーモンに。
ギリギリの火通しで豊かに広がる素晴らしいコンディションの旨味と脂。それをソースのヴィネガーの酸味が心地よく引き締め、且つワインのピュアで快活な果実味が繋がる。が、感動的なレベルの繋がりではない。
相性: ★★★☆☆
最後に雛鳥のグリルに。
脂は少なめでほろほろとほぐれる食感、粒マスタードの酸味に、ワインの明るくも程よく抑制された果実味とフレッシュな酸味がよく寄り添う。私がセレクトしたワインはシーフードとの相性はぱっとしなかったが、さすが山のワイン、鶏とは素晴らしい相性を見せてくれた。四つ星レベル。
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