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エビチリに懐広いジョージアのオレンジワイン

食事との相性という楽しいワイン探索を始めてから、ひときわジョージアワインへの興味が強まっている。
和洋中と幅広く食事に寄り添い、また香辛料やエスニック料理にも相性が良い。つまり万能ワインなのだ。

さて、ジョージアでは約8000年前からワインが造られていたとされ、ワイン発祥の地とされる。

中央やや南よりにジョージア

ジョージアワインの特徴は土着品種とオレンジワイン。
私が特に好むジョージアの白ワインに用いられる品種には、代表的なルカツィテリをはじめ、ムツヴァネ、キシ、ツォリコウリなど、非常に多くの個性的な品種に溢れる。

そしてオレンジワイン。オレンジから造られているのではなく、葡萄から造られるが、白ワインより濃いオレンジや琥珀に近い色調のワインなので、このように呼ばれる。
通常白ワインを作る際にはブドウ果汁をまず搾り取り果皮を除去してジュースのみを発酵させるが、オレンジワインは果皮をジュースに漬けたまま発酵を始めるので、果皮の色素や成分がワインに抽出され見た目にも白ワインとは異なる濃い色調だ。
果皮の成分の芳香や渋みがワインに奥行きを与えて、魅力あふれるワインとなる。

とある晩、仕事上がりが遅くなったのでつまみ中心で良いかなと思い、ファミリーマートのお母さん食堂シリーズで3点を購入。エビチリ、酢豚、明太ポテトサラダ。

お母さん食堂シリーズは300-400円を中心に、色々なおかずやおつまみになるようなメニューが豊富で重宝する。
ブームになったジョージア料理シュクメルリもあるが、敢えてそれ以外のものと合わせてみた (既にシュクメルリは試したこともあったので) 。

Makashvili Wine Cellars, Rkatsiteli, Georgia, 2019, 13%, 2,558円
ブラウンを帯びた琥珀色。
ドライプラム、アプリコット、アマレットなどが重々しさなく優雅に収斂的に広がる、ほんのりとジンジャーやカモミールも、ほのかに野趣ある麝香のようなニュアンスもあるかないか程度に微かに、心地よいアクセント程度に。
果実味は思いのほか軽やか、アタックから舌を乾かすような感覚を覚えるタンニン、果実味にメリハリを与える穏やかな酸味。

ワインと3点おつまみを合わせる。

海老チリの辛味にはワインがやや圧倒されるも海老の風味、ワインの果実味が互いにブーストされるような高め合う素晴らしいペアリング。

明太子サラダの明太とは、ワインとの相性が難しいとされる魚卵に関わらずケンカせずむしろ心地よく寄り添うワインの果実味。

酢豚にはケンカはしないが酢と豚肉の力強い風味にワインがやや押されてしまった。

甲殻類と豚肉の中華料理、魚卵と、ワインに合わせるには少々ハードルが高いかなと思う食事にもジョージアのワインは素晴らしい懐の広さで包み込んでくれた。
さらに重要なのが2,500円台と素晴らしいコストパフォーマンスだ。
常備しておき、食事に何を合わせればよいか悩んだときにぜひ、自信を持って開栓したい。

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