見出し画像

3週間の空白<その5> 軽症者の選択行動と社会復帰

「4月下旬に自宅療養まだ2,000人(陽性者の23%)」という5月6日のTV報道に対して、4月初旬に発症し自宅療養をなさった方が某SNSで、”自宅療養を「選択する理由」があることも取材してほしい”と発信されていました。

読んですぐは、容態急変のリスクもあるし入院すればよかったのに、と思いました。でも発言をたどっていくうちに認識が変わります。発熱や全身痛など諸症状で自尊心が傷つけられるほどつらい状況であったことと、それでも医療現場の負担軽減に役立ちたいからと強い意思で自宅闘病していたこと。同様の時期に自宅闘病していた私も、発熱でよなよな変な夢を見ながらも、医療リソースをかすめずに治せるならこれも社会貢献だと思っていました。


■軽症者の復帰にPCR検査や陰性証明は原則不要

さて、あと数日で受入施設から退館できる見込みなので、「社会生活復帰」に向けた準備が必要と思っていた矢先、コロナ専門家有志の会より「軽症者が日常生活や職場に戻るとき」とのnote記事が発表(5月6日)されました。


軽症者(新型コロナ)の職場復帰の目安(国の指針などによる)
 1. 宿泊施設や自宅での療養から14日後+医療保健関係者の判断が必要
 2. PCR検査や陰性証明は不要

ポイントは2点ありますが、特に、職場が陰性証明を強制してはいけないというのはインフルエンザ罹患後と同じ考え方ですね。(検査精度が70%程度なので)

私の場合、発症後早い時期に軽快しつつ、発症から起算して19日も経過していても、PCR検査で陽性判定となりました。
自宅療養期間を経て4月下旬に受診した医師からは、経過期間を考慮すると職場復帰してよいのではとの考察がありましたが、振り返って思えば、あの時点で復帰しないでよかったと思います。

いまステイしている受入施設の事務局によれば、<療養証明>を必要とする場合は退館時に申請手順を教えてくれるようです。書面の発行には2週間ほどかかるようですが。
5月7日に保健所に電話確認したところ、所轄行政区の判断により受入施設で療養の終わった方に対して一度PCR検査を行う、とのこと。また、本人が希望すれば、保健所から<PCR検査結果の通達>という形で書面を発行できるとのこと。
”医療保健関係者の判断があれば検査なしで社会復帰できる”との手順は示されていますが、今回のステイ後に「医師による診察」はプログラムされていません。となれば、保健所が判断するためにはPCR検査結果が客観データとして必要なのでしょう。貴重な社会資源をつかわせていただきます、という気持ちで再度のPCR検査に臨もうと思います。

■勤務先から求められるあれこれ

同じ日に私の勤務先にも連絡し、現在の体調や退館予定などを伝えました。療養経過が長い分だけ、総務・人事担当者にも心配をかけており申し訳ない気持ちが先に立ちます。

「4月26日に陽性判定が出てから2週間は、感染症による出勤停止で特別休暇に該当するので、療養指示がわかる書面があればよいですね。」
こちらから、ステイ開始時に受領した保健所名の書面<宿泊施設での療養及び健康観察について>と、事務局から聞いていた<療養証明>のことを伝えました。

「それと、PCR検査結果がわかる書類があればそれも会社に提出を。」
提示を強制してはいけないんだが、と内心思いつつ、理由を聞けば、受入施設を出て自宅待機となる期間を説明するためにあったほうがわかりやすい、とのこと。<PCR検査結果の通達>は希望すれば保健所からもらえるようだ、と伝えます。

「4月6日から24日までの経過に対しては、社内規定や健保組合の制度を調べて再度検討します。」
とのこと。24日の時点で、会社としては傷病欠勤と位置づける予定なので<療養期間と復帰可能な日を記載した医師の診断書>をもらうよう指示があったのですが、その後の検査で陽性判定になってしまったので診断書の件は保留となりました。

社内規定などを援用して、収入減のない形での長期疾病休暇の扱いを検討してもらえれば当事者としては助かります。
今回の場合、本人の意思で有給休暇を適用すれば欠勤にはならないのですがが、さすがに有給休暇を20日も取得すると年度付与日数を大きく食ってしまいます。欠勤(無給)扱いとなった場合に適用できる健保組合制度の「傷病手当金」は、ざっくりいうと月給の3分の2が支給される仕組みなので、収入補償にはなりますが目減りがあります。(5月16日追記:勤務先に細部を確認したところ、傷病欠勤の際は「傷病欠勤控除分(日額900円程度)を引いた給与」が支給されるとのこと。)

■入院相当分として扱われる条件

個人で加入している共済で、新型コロナ陽性で所定の条件があれば「入院給付金」を支払うとの告知があったため、自宅療養中と受入施設療養中、共済組合の窓口に何度か問い合わせをしました。
その共済では「PCR検査陽性」が判断基準になり、入院の代替措置として施設療養/自宅療養の場合は医師の診断書などを提示すれば給付金支払を得るとのこと。私の場合は陽性判定のあった4月26日以降の受入施設療養、自宅療養を行ったことを診断書などで裏打ちすれば要件を満たします。

ただし、4月6日から3週間の自宅療養期間については、取り扱いが一筋縄ではいきませんでした。4月17日に最初の問い合わせをした際には、PCR検査を受けずに自宅療養している経過なので給付対象外と説明されていました。
外資系の生命保険などでPCR検査結果を問わず受入施設や自宅での療養も入院給付対象としている例があると主張しましたが、この時点ではかなわず。

はからずも検査で陽性となったことから、4月6日からの期間も対象となるのでは、と再度問い合わせを行いますが、共済側も回答に苦慮することに。
何度かやりとりした結果、医療関係者の診断書などで示される内容をもとに、支払い可能な期間や範囲について共済組合で内部検討するとの説明を受けています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?