見出し画像

3週間の空白<その3> 発症時に検査してほしかったよ!

4月初旬に緊急事態宣言が出て、まさにそのタイミングで新型コロナウイルス感染症となった私です。すぐにはPCR検査を受けられず、5月直前にPCR検査を受けることに。確証はありませんが、都区内では保健所の尽力や地元医師会などの協力により、4月中旬以降に検査体制が変化・拡充されていたのではないかと考えます。


■救急病棟前で

4月25日は晴れてさわやかでしたが、風が強かったのを覚えています。指定された検査場所は自宅と同じ行政区内の総合病院でした。医療法人が運営する大きな病院で、思い起こせば20年ほど前に気管支炎でここに入院した過去があります。
ここ数日は平熱で体調もいつも通りなので、自宅からクルマを運転して向かいました。「12時に検査予約入れましたので病院についたら地域連携室に電話して案内してもらってください。」との保健所の話で、12時ちょうどに電話しましたが、留守番電話になっており通話できず。病院正面入り口で入館チェックしていた職員に声をかけ事情を説明。奥から事務担当の職員が、
「話はうかがってますのでそこの左手の救急病棟前で待っていてください。」と。

向かうとそこにはパイプ椅子が2脚。風が強く目を開けるのがつらかったのですが、しばし待機。防護服をまとった事務職員が出てきて本人確認。健康保険証と駐車券を渡し、問診票に記入しました。
昔入院したときはまだ救急棟なかったよな、と思いつつ、その場でさらに待ちます。案の定救急車が到着したりでバタバタ。待つこと10分でようやく救急外来棟裏手の検査用テントに案内されます。
「まもなくスマホに電話がかかってきますから、その指示にしたがってください。問診して検体採取して終わりです。検査関係の費用は、病院から自宅に振込の書類が届くのでいったん支払ってください。費用はあとで還付手続きできます。」
テント内は4つほどのブースにわかれ、私のあとに2人が個別にブースに入った気配がありました。

程なくして、検査前問診を担当する医師から電話がかかってきました。ビデオ通話です。本人確認のため個人情報を聞かれますが、前後のブースにいる人に聞こえるくらいの大声で話さないと会話ができません。困ったものです。
問診はすぐに終わり、担当の方がブースに来てくれて、採取用ブースに案内されました。検体採取はあっという間、のどの奥から2か所で終わり。
「きょうはこれで帰宅されて構いません。判定結果は30日頃に病院から連絡します。」
検査用テントから出ると、病院裏手の少し離れたところを、近所のご婦人が普段通りの勢いで自転車で通り過ぎていきました。

■発症したときに検査してほしかった

驚いたことに翌26日に検査結果の連絡があり、陽性判定と知らされました。2週間も経過してるのに陽性?なぜ?、と思いながらも、間違いなく新型コロナにかかっていたのだ、という不思議な納得感がありました。
(PCR検査精度の問題から、疑陽性の可能性もあるのですが、それはあとから思ったこと。)

検査結果を教えてくれた病院医師から、
「自宅療養中に薬は服用していなかったのですか。」
と聞かれ、何も服用していないと答えると、
「引き続き自宅で、あすから5日間ほど薬を服用した後に再度PCR検査を受けてはどうですか。後に2回検査して陰性になれば。薬はすぐに処方しますので、30分ほどしたら病院の救急病棟に取りに来てください。」
との話。再度病院に向かい、処方された抗菌薬3日分、抗リュウマチ薬5日分を受け取りました。

自宅に戻る途中、今度は保健所から電話が入ります。
「陽性とわかりました。入院かホテル療養を行ってほしいのですがどうしますか。」
いま病院から薬をもらって帰るところ、病院の医師は服用して自宅療養と言っていたが、と伝えますが、
「自宅での短期療養、は選択肢として考えられないと思います。医師と保健所で一度話して結果を知らせます。」
となり、結局は保健所と医師が協議し、『薬は飲み切りで服用しつつ、宿泊施設での療養及び健康観察を行う』とのラインに落ち着きました。

ホテル行かなくてもこれまで通り自宅でいればいいじゃないか、と思いながら、もし発症した時期にPCR検査をうけられていたならば、そして、さっきもらった薬を3週間前から服用していたら結果は違ったはずだ、と考えました。

医療者自身も何が有効なのか手探りしているのだとしても、何も服用せず自宅療養していた日々が無駄な時間になってしまったことや、仕事復帰が先になれば仲間にまた面倒をかけてしまうことなどを考え、すっかり気持ちが重くなりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?