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初めて「引っ越し」に直面する子どもの感情は、周りの大人がつくっている

物心のついた子どもが初めて引っ越しをする時、引っ越しをポジティブにとらえるかネガティブなものと感じるかは周りの大人次第だと思う。

もちろんね、子ども一人一人にそれぞれの感じ方や考え方があるのはわかってる。

持って生まれた性格や性質は、他の誰も変えることのできないその子特有のものだもん。

それでも、大人のやることを真似しながら学んで成長していくのが子どもというもの。

「引っ越し」をしたことがない子どもは、「引っ越し」とはどういうものなのか大人の言動を見て学ぶんですよね。

引っ越し=○○。さて、○○に当てはまる感情はなんでしょう?

「引っ越しなんて嫌だ。新しい環境は不安しかない。」って親が言っていたらそういうものかと思うし、

「今度行く土地は初めての場所。どんなところか楽しみ!」って言うのを聞いていたら「引っ越し=わくわくするもの」と思う。

「転校なんてかわいそうね」と周りの大人に言われると、わたしかわいそうなんだなって感じるし、

「○○に引っ越すの?行ってみたいな、うらやましい」って言われたら、なんだか得意な気持ちになる。

引っ越しに紐付く感情を、子どもは大人の発言から学んでいく。

私の初めての引越しは「未知の世界への期待」だった

わたし自身、小学校4年生の時に親の転勤で引っ越したことがある。

それまでずっと同じ場所で暮らしてきたわたしにとって、引っ越しして転校するなんて、想像もつかない出来事だった。

小学4年生の女子ともなれば人間関係も多少複雑になってくるころだし、何より毎日楽しく生活していたので、その環境を変えたくはなかった。

でも、不思議と引っ越しすることや転校することにわくわくする気持ちがあった。

自分の人生に新しい扉が登場したみたいで。

それは両親が引っ越すことについてネガティブなことを言わなかったからだなって、今になって思う。

引っ越す先が国外だったので、両親はかなり大変な思いをしただろう。

今のわたしがその立場になったらと想像すると、めちゃくちゃ不安だもの。

意図的だったのか、ただポジティブな性格なだけだったのかはわからないけど両親(というか母)は未知の場所は面白いことがたくさんあると教えてくれた。

(たぶん、ポジティブな性格が9割で、意図的な働きかけが1割くらいだと思う。)

そのおかげで、住み慣れた場所や仲良しの友達から離れるさみしさを感じながらも、新しい場所への期待や好奇心を持つことができたと思っている。

2度目の引越しからは、子ども自身の経験がものをいう

この図式があてはまるのは、最初の引っ越しだけ。

いちど引越しをすると、それがどういうものなのか子ども自身が経験するので、その経験をもとに感情が動くようになる。

引っ越してみたらなかなかなじめなくて苦労したから、また引っ越しなんて嫌だとか。

前よりももっと仲の良い友達ができて楽しかったから、次もきっと大丈夫とか。

人から言われたことよりも、自分で経験したことの方が強いもの。

だから子どもにネガティブなことを言わないようにしなきゃ!って気にしすぎる必要はないとは思うよ。

ただね、良くない先入観を植え付けてしまうのは嫌だから、引っ越す土地の悪口だけは言わないように気をつけてます。

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