重音テト席巻、ずんだもんの予感

ボカロを聞き始めてもう15年になる。
かつて一緒に聴いていた友人はどんどん界隈を離れていき、自分もいつか好きな気持ちが離れるかと思っていたが気付いたらまだ取り残されていた。
もう人生の大半を締めているから恐ろしい。

私の見てきた限りの主観的なボカロ史について少し懐かしんだ上で、次のブームを何となく予想していこうと思う。
(調べずに体感で語るので多分めっちゃ間違ってる。)


私の聴き始めた頃はDECO27のGUMIがボカロ界隈に衝撃を与え終わり、wowakaの台頭で早口な音楽が一気に増えた頃だと思う。

その少し後、それまでオタクしか知らなかったものが千本桜の大ヒットでCMソングに使用されてネットが沸き、急速に一般化が進んだような感覚があった。
その陰でカゲプロ等の”ザ・ボカロっぽい曲”が人気で、当時のニコニコではミクよりIAが流行っていた気がする。

その後数多の当時の人気歌い手や米津玄師等ニコニコからデビューしていった。
もうニコニコは終わった、ボカロはもう要らないという砂漠期間にwowaka が死んで令和になった。

そして現在、
すっかりプラットフォームをYouTubeにうつした数々の過去の名曲が掘り起こされている。
TikTokなどのショート動画への転載やVtuberの歌みたによって新旧入り乱れるボカロブームのようなものが、今来ているんじゃないかと思う。

最近とりわけ、新しいボカロPによる重音テト楽曲が熱い。
(最近はPって言わないらしいしテトはボカロじゃないけど…)

今年の上半期ヒットチャートの、

1位吉田夜世「オーバーライド」
2位原口沙輔「人間マニア」
4位原口沙輔「イガク」
6位サツキ「メズマライザー」
7位ンバチ「好きな惣菜発表ドラゴン」

のいずれも重音テト使用楽曲である。(敬称略)

これまでテトのオリジナル曲といえば15年ほど前の「おちゃめ機能」一強だったと思う。
どちらかというと、オリジナル曲よりミクなどの人気ボカロのカバー曲のイメージが強い。

若き才能達がテトを採用しランキングを席巻している背景には、テトの声の聞き取りやすさがあるのではないかと思う。

これはこれまでボカロはボカロに耳が慣れたオタクだけのものだったのが、そうでない層に広く聞かれるようになってきた証ではないだろうか。

そしてこの傾向が指し示す次のブームは、ずんだもんなのではないかと思う。
ずんだもんは音楽のためのボーカロイドではなく、発話を目的としたボイスロイドだったと記憶している。

そして聞き取りやすさが抜群である。

ぜひ、ずんだもん、ミク、テトの3名の声を聴き比べて欲しい。
次はずんだもんかもしれない、という予感を感じられる。かもしれない。かも。




余談。
最近の中で一番好きなテト楽曲。PVがはちゃめちゃに良い。