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せっかくゴールド免許だったのにさ

句点のない文章は、立ち止まることがないという観点で考えれば、交通ルールでいうところの信号無視かスピード違反あたりに例えられるのではないかと思いつつ、文章を書くにあたっては免許がいらない分、交通ルールよりも違反へのハードルが低い上、今回のこの投稿で誰かを傷つけたりすることはないはずなので、私自身、ご覧のように実行に移したということになるわけだが、これに対して「読みにくい」とか「最近こいつは迷走しているんじゃないのか」などと陰口を叩かないでおいてほしいものの、そんな言い訳ばかりをしていると、そろそろ読者の関心が薄れてしまいかねないと思い、いよいよ本題に入るに至り、なんとここで私の実際の交通違反について恥をさらさざるを得ないので、心苦しいことこの上ないわけだが、この期に及んでは仕方あるまい、と決心して、とある田舎道の景色を読者に想像してもらうため、まずは風景の描写からしていくのであるが、春の穏やかな昼下がり、車道の両脇に目に染みるほどの緑が広がる水田地帯を進んでいくと、広い片道一車線ずつの上り坂にさしかかって、出張中に一人でリラックスしながら車を運転していた私が、スムーズに気持ちよく坂を上るためにアクセルに力を入れたところ、突如目の前に警官と「とまれ」の旗が現れたので、「そんなに急に出てきたら轢いちゃうぞ」「車は急には止まれないのよ」などという脳内大混乱の中でブレーキを踏みこみスピードを落とし、警官の指示に従って脇道に停車したところ、速度を確認するために一旦車を降りろと言われ、言われるとおりにスピードメーターを見てみれば時速67kmと表示されており、内心「なんだ、7kmオーバーか」と高をくくったのもつかの間、「27kmオーバーです」と宣告されたのはあまりの驚きだったが、どうやら免停だけは免れたのは不幸中の幸い、危ない橋を渡ってしまったと反省したとはいえ、よくよく考えてみれば、あれほど見通しがよくて上り坂ともなれば、スピードが出てしまうのも人情ってもんだろう、などと、大学で法律を4年間も学んだ者とは言えぬ気持ちも生まれつつ、結果として見れば時速25kmから29kmの幅での速度超過ということで、罰金18,000円を徴収され、心は疲れ果て、懐は寂しくなり、暴走するのは文章だけがよろしい、とまさに実感したところで、速度オーバーの反省を生かし、今回も字数オーバーだけはしないでおく。

(文字数:1000字)

☆1000字ちょうどであることが分かりやすい投稿なので、原稿用紙に書いてみた☆

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