手紙を書く~取材に応じてくれる人を掘り起こすために
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時間の経過とともに、遺族の心境も落ち着いてくる。それは、取材をする側にとって有利にも不利にも働く。でも、発生直後に泣いている映像だけ撮って、現場を荒らすだけ荒らして去っていくワイドショーのような火事場泥棒的取材で終わらせるのと、その後も長期にわたって関係を築いていくのは、圧倒的に後者の方が労力を伴う難儀な作業だ。
その作業は、手紙を書くことが中心になった。すぐには取材に応じてもらえなくても、落ち着いたところで読んでもらい、趣旨を理解してもらい、閉ざされた扉を