会社のコストが増える事例からみた、コスト削減策のアイデア! ~明日から始められる方法~

会社のステークホルダー(特に株主)は、会社の良し悪しを図るひとつのモノサシとして、経営の安全性・収益性・効率性をみています。
コスト削減は、収益性の向上に直接つながります。
だから、収益性は高いことが望まれます。
しかし、コロナ下での業績悪化の中、人件費や賃料などが負担になってしまっているので、収益性悪化だけでは収まらず、会社経営そのものが揺らぐことも懸念されます。
そんな状況を少しでも緩和するヒントになればよいと思い、コストの削減の具体的な方法を、事例と合わせてご紹介します。

1.準備

次のデータを用意します。

・損益計算書データを用意(直近分)
・会計ソフトから総勘定元帳データをCSV出力(直近分)

2.大まかな流れ

以下の流れでみていきます。

①損益計算書データから、コスト負担の大きな勘定科目をいくつか抽出する
 ↓
②総勘定元帳のCSVデータから、抽出した勘定科目でフィルタをかける
 ↓
③その勘定科目の内訳として、「摘要」「借方の金額」をみる
 ↓
④借方の金額が大きな摘要を特定する
 ↓
⑤余力があれば、特定した摘要の過去数年間の推移を追う
 ↓
⑥その摘要がなぜそんなにコスト増になっているかを確認する
 ↓
⑦抽出した勘定科目の特定の摘要を減らす方法を検討する
 ↓
⑧実行
 ↓
⑨検証

本稿は、⑥の「コスト増の原因」をふまえたうえで、⑦の「コスト削減の検討」を行うことが重要だと考えています。(次章で紹介)
なお、次のようなコツは、覚えておいて損はないと思います。

[作業のコツ]

総勘定元帳のCSVを加工して保存したい場合は、エクセルデータ(拡張子:xlsx)に変換します。

エクセルのピボットテーブル機能を使って集計すると、短時間で特定できます。ただし、摘要の内容に一貫性が無い場合には、自分で列をひとつ追加し、フラグを立ててからピボット集計すると、特定できます。

関係部署や担当者へのヒアリングで理由がわかることも多いです。どうしてもわからなければ、仮説ベースでもよいので、何かしら説明できるようになっていればベターです。

3.コスト削減の検討

会社の経費削減アイデア100!を参考に、コスト削減アイデアをまとめましたので、エクセルで添付します。

[ポイント]
・「コスト負担が増える可能性のある事例」を追加
・「削減インパクト」を追加
・現実的ではないコスト削減アイデアを整理
・より現実的なコスト削減アイデアの大幅追加

上記⑥「コスト増の原因」と似た事例があれば、原因と事例を紐づけて、コスト削減策のアイデアを確認してみてください。また、削減インパクトもそれなりに大きいかを確認してください。

添付エクセルには、「自社での実現可能性」「自社での優先順位」もつけています。これは、いくら削減インパクトが大きくても、自社にそぐわないものであれば採用しないほうがよいので、経営ビジョンや、組織体制、人事制度などを基に、最終的には自社で判断する必要があります。


以上、コロナの状況で収益性悪化を緩和する一助になれば幸いです。


※助成金などの行政政策は、本稿の論点と離れるため触れていませんが、経営上では優先して対応しなければならない事項です。

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