不意に生まれた 脆く儚い僕 深い海の底 小さな泡の中 息が苦しくて 光が足りなくて 純世界信じて そっと瞳を閉じた 望んでいたはずなのに 夢見てたはずなのに やっと届いたはずなのに 消えてなくなった ぼくはもう輝いてた 生まれながらに美しかった 誰に何を言われようと もう騙されたりしない そのままでいいんだ ぼくはぼくだ ここにいるただそれだけが 愛おしいから
絶望。 嫉妬、恐怖 欲望、苦悩、不安 焦燥、軽蔑、恥、劣等感 嫌悪、快楽、後悔、無念、殺意、憎悪 空虚。 この世界は 黒い霧で満ちていた。 泣き喚いて 必死に叫んだ声は 美化された。 宝石は 磨けば磨くほど 綺麗になっていくという。 人間は 磨けば磨くほど 汚くなっていく。 意味のないルールに縛られ、 訳のわからない理不尽に苦しみ、 無駄な防衛本能だけが発達し、 社会に犯されていく。 それが常識だと みんな同じ格好をさせられる。
望まれていた。 自然の摂理に従い 「ぼく」は2度目の生を受けた。 新たな世界は輝いている。 はずだった。 ... 世界は、 濁っていた。 「ぼく」を見つめる人間の瞳は どれも濁っていて、 光がなかった。 怖かった。 「ぼく」は泣いた。 泣き叫んだ。 元いた世界に戻りたいと 泣き叫んだ。 「おめでとうございます!元気な女の子ですよ!」 To be continued...
望んだわけではなかった。 医学の進歩と 人間のエゴにより、 自然の摂理に反して 「ぼく」は生まれた。 深く暗い海の底、 無数の泡のうちのひとつ。 小さく蹲りながら、 ただ上を見上げ 美しく煌く水面を目指した。 あそこまでいければ大丈夫だと思った。 外の世界はきっと素敵に違いないと 信じて疑わなかった。 十月十日 輝く未来を想像しながら、 泡の中で懸命に生きた。 ある日、息が苦しくなり そっと目を開けると 水面が目の前にあった。 やっと着い
深く暗い海の底 僕たちは出会ってしまった ただ言葉を紡ぎ、唄を綴る 何もない、僕たちの全て さぁ、 幕は上がった ようこそ、初めまして