見出し画像

『Avatar: The Way of Water』の物語予想とAvatar sagaとしての全体図を考える

『アバター2』の物語予想図と5までの展開について 


まず箇条書きで書いてみた

『アバター2 』物語予想考察 その1
ジェイクはネイティリと結ばれ子供ができてる。
後付けではあるが、これを物語に入り込むことで続編を作られる。この時点でどういう物語になるかは大凡パターンがつく。ナンバリングが5まであるのがその証左。
『アバター2 』 物語予想考察 その2
ナヴィ族という事から分かるように、部族ということだ。ということは惑星パンドラとはいえそれぞれの縄張りがあり、そこを長が仕切っているという舞台設定は当然でてくる。両親と子供という構図に各家庭という設定ここが物語的なダイナミズムを作らせる一つ。
『アバター2 』物語予想考察 その3
この時点で3つの枠組み物語を作成できる。
・人間サイド
・ナヴィ族
・ナヴィ族の中で発生する部族間の話
第二部の副題way of water は端的に考えると水路。と考えると、恐らく、全体の物語として人間サイドの話が係ってくるが、主題はナヴィ族同士の争い。
『アバター2 』物語予想考察 その4
部族間同士の争い。これは間違いなく物語の強度を保つためにやってくる。映画史的に言ってみればゴッドファーザーに代表される同族のボスの喪失とそれを継ぐものの争いとその果てという構図にあたる。そしてキャメロンの場合、継ぐものは間違いなく女性キャラクター。
『アバター2 』物語予想考察 その5
ここで既にわかっているキャラクターは以下の通り
・ジェイク一家の次男
・ジェイク一家の養子 少女
・ジェイク一家の養子 人間 男
・海の部族の長とその妻とその二人の子
・前回退場したはずの軍のおっさん
 (なぜかアバターの素体)
さて、このキャラクターの立ち位置を考えると
・人間(何故かアバターの素体持ちがいる)
・ナヴィ族(ジェイク一家/海の族長一家)
こう考えると、考察3で書いた構図と一致する。
そして、更に物語のコマを進めて考えると『ロミオとジュリエット』『ウェストサイドストーリー』のような異なる立場同士での恋愛模様もある。
『アバター2 』 物語予想考察 その6
部族間の長の争いに加えて、シェイクスピア的な悲劇性をもった恋愛を取り入れることでよりサーガ、所謂大河ドラマ的な物語としての機能性がある。
今時点で推察できる盛り込んでくる物語は
・大枠としてのパンドラ対人間
・パンドラ族同士の争い
・異部族感の悲劇的恋愛
『アバター2 』 物語予想考察 その7
では、総体としての話の構造とは何か?
それを考えるためには同じ性質を持った物語を振り返る必要がある。そこから展開するとSF人間ドラマとして明らかに意識してくるSF物語は『DUNE』と『スターウォーズ』。『スターウォーズ』自体が『DUNE』を意識しているので実質『DUNE』を意識してくると考えられる。
『アバター2 』物語予想考察 その8
『DUNE』のポールは超常の力に目覚め、果てにはフレメンを率いて最終的には長になる。しかし長になってから彼に不満を抱くようになり、最終的には追放され子供の話になる。これは過程は違えど『スターウォーズ』に置き換えるとポールがアナキンであり、その後のルークになるという構造になる
『アバター2 』物語予想考察 その9
では8の考え方をアバターの世界観に落とし込んでみる
アバター1はジェイクは素ナヴィ族になったという話。
2で何かの英雄になりそして、同時に何かの悪者になる
おそらく2でジェイクがナヴィ族にとって敵になる可能性がある。そしてそれに立ち向かう子供たちが3以降の話
『アバター2 』物語予想考察 その10
その4で子供世代で重要になってくるのは女性キャラクターと書いたがそれはこれまでキャメロンが強い女性というのを描いてきたから。ただ、それに当たるキャラが養子であることから、不確定ではある。純に次男が継ぐ可能性も0ではない。
しかし、恐らく次男の役割は、異なる部族間同士の恋愛とその悲劇性を持ち合わせたほうがより感動的にできる
つまりはジェイク一家ではなく、結婚して、別の部族としての世帯になることで、ジェイク家vsジェイクの子供という構図もまた、存在しうる。
『アバター2 』 物語予想考察 その11
そうなってくるとやはり『アバター2 』は親と子、部族同士の確執に人間サイドの物語がメインだ。そして親と子の対決ということから分かる通り「父殺し」かそれにまつわり親子間の喧嘩というのが通過儀礼としてでてくることも確定事項と考える。
『アバター2 』物語予想考察 その12
メタな視点で突っ込むとジェイクとネイティリ、そして軍の人間サイドのおっさんの俳優は2,3,4,5の出演契約が既に発表されていることから明確な退場はしないと思われる。軍のおっさんの俳優は2においてアバターの素体を「何故か」もった状態で登場という含みをある登場
がしかし、主演俳優二人(ジェイクとネイティリ)は既にナヴィ族の一員として迎えられているので2,3,4で登場となると相当ドラマを引っ張ることになる。ネイティリはともかくとしてジェイクは間違いなく2,3のどこかで退場しなければ子供世代の物語に阻害すると個人的には思う。とするとジェイクはトリックスターになる必要有。
『アバター2 』物語予想考察 その13
現時点では2の登場キャラの立ち位置からでしか分からないため、3においてどういう仕掛けキャラや展開が待ち受けているかどうかは分からない。が最も問題なのは『アバター5』。元々は2,3,4までという話だったが、いつの間にか5部作になった。
一つのサーガを5部といのは些か長すぎだとは思う。「スカイウォーカーサーガ」としての9部作にしろ実質3,3,3で時代も人も変わるし、大体の通ものは3部作だ。何故なら尺として丁度いいからである。洋物であれば尚更それが丁度いいはず。元々1で終わっていると思えば前提としての1と3部作2,3,4と考えられる。
『アバター2 』 物語予想考察 その14
となると5は2,3で如何に展開を膨らませられるかにかかる。2で上映時間が3時間弱というのもそれが所以であろう。そこを読み解くポイントは元ジェイクの上司であり人間サイドの軍人がアバターになって再登場という仕掛け。ここがポイントなのではないか。
パンドラから見て敵であった人間、しかも軍の上層部がアバターとしての素体を持っている。明らかに1人ではない気もするがそれは一旦すみにおく。なぜ素体を手に入れられたのかが物語的に気になる点。つまりは人間サイドも、何かしらの益によって素体を手に入れられる可能性も出てくるということだ。ちなみにこうした仕掛けも『DUNE』シリーズにおけるダンカン・アイダホという主人公サイドの人間が一度は死ぬが、ベネ・トライラックスが蘇生して偶人(ゴーラ)として蘇らせるというくだりがあるので、引用度はここでも生きている。
『アバター2 』 物語予想考察 その14.5
人間側が再度攻めてくるという構図に、アバター素体として暗躍する側としての立場を保ち続けるのか、それとも惑星パンドラ部族に寝返るのかで変わってくる。しかしキャメロンのこれまでの敵としての像としては益を求める者が悪人であるという描き方
そうなると素体を持てる原因として「誰に益があるのか」ということが焦点になる。当然人間側という形にはなるが、そこで登場人物たちにどのような影響が出てくるのかというところで物語の更なる道筋が見える気がする。案外単純な理由かもしれないが。
『アバター2 』 物語予想考察 その15
とりあえず2では、せいぜい4の布石を打つ程度の展開と考える。物語的にはジェイクは2 or 3で退場すべきだと思うが、その12でいった、演者的な契約関係からして5までは生き残る。しかしナヴィ族として居続けるのにはカタルシス的な意味でも欠けるようにも思える。純粋にナヴィ族として居続けてその中で家族愛というのを描くというのもパターンとしてはありだが。
『アバター2 』 物語予想考察 その16
アバター4において、子役が6年の歳を取るという脚本上の時間移動がある。ということは、2,3において子役がメインになることはほぼ確実。なら主人公がナヴィ族の敵(と仮定して)となるが、サイド子供世代に許してもらうという過程までを3までにやると考える。そうすると4以降、というか5は異質な物
『アバター2 』 物語予想考察 その17
16から、4,5は子供中心世代。2,3で物語上、惑星パンドラ側の争いを完了させて、その上で惑星パンドラが最終的に地球に侵略して、人間側に復讐を完了させ、争いは沈黙を迎えました the endという形
2が水なら3,4,5も恐らくはそれぞれ何かしらの惑星パンドラ内の舞台となるものがあるはず。とするならば、どんどんシリーズが進むつれ、色々なナヴィ族を従えてついには、という展開も無理ではない。
『アバター2 』 物語予想考察  総論
キャメロンのことでしょう。脚本から何から何まで自信をもった天才演出家・監督であることは違いない。それは彼のキャリアが証明している。問題は加齢によって衰えているか否か。一定のクオリティは確保されている。見に行く価値はある。続編的にも映像的にも。

以上が、おおよそ自分の中で考えられる『アバター2 』及びサーガとしてどういう展開が来るのかというのに対しての大体の予想図だ。惑星パンドラにおける民族、あるいは家族間同士の争いに焦点を当ててくるのは多分あっていると思う。というよりも、続編を作るのであればそういう話にしないとドラマが生まれてないと思う。そしてそういう作品で最も骨太な作品といえば当然『ゴッドファーザー』2部作と番外編としての1作の計3部作を参照してくると予想できる。また、SF仕立てという意味ではルグィンの『世界の合言葉は森』や『DUNE』シリーズやそれに影響を受けた『SWシリーズ』的な要素も当然入ってくると思う。そう考えるとどこかでジェイクは退場するのかなと思いながらも、キャストの契約問題的に最後まで居座り続けて、族長になる展開もあったりするのかと思うが、それは先にも描いたが、物語的にちょっとなぁと思うところがある。脚本上、読める展開はひとまずこのくらい。

では、『アバター2 』そしてサーガとしてのアバターはどうなのかという点だが、サブスクで色々な監督や色々な配信サービスと契約を結びそれぞれが独自契約としてある種、才能が散逸している現状、映画館で大作というのは中々ない。それはサブスク主流というのもそうだし、映画館で回収できるだけの監督がそんなにはいないという時代というのもある。実際、世界的にみてもビックバジェットでなおかつオリジナルでIMAXでという環境で製作が許されるのはキャメロンのような存在を除けば、クリストファー・ノーラン、とあとドゥニ・ヴィルヌーヴくらいしかいない。つまりは1年に映画館に足を運んでみたいと思える作品の母数自体がとても少ない今、キャメロンが紆余曲折を経て、13年という時間をかけて作った『アバター2 』、そしてサーガとしてのアバターは映画好きは当然見るべきだし、普段、映画をみない人、映画館に足を運ばない人でも見るべき作品だと思う。それこそついこの間まではSWなどがそういった役割を担っていたように。個人的な意見ではあるが、この先アバターを見ずしてほかに何の映画を映画館でみるのと問いたいくらいには、「劇場」が似合う作品として非常に稀有な作品になるとおもうし、3~5までしっかりと続けられるようにみに行く必要があると思う。映像が凄いだけでも元値以上の経験ができると思う。行くか行かないかで迷っている人がもし、この記事をみているのならば、絶対に見に行くべきだと私は思う。別にディズニー会社の回しものでもなければ試写で先に見たわけでもないただの一般人の戯言ではあるが。『アバター2 』はTVで放映されるのを待つ。というタイプの作品ではない。それは、『アラビアのロレンス』をテレビでみるようなもの。やはり映画作品は映画館で堪能するのが一番だし、それは映像派の監督であれば尚更そういった絵作りをしてくる。そしてキャメロンは恐らく、今映画界で最も金のかかった作品を作れる監督であること、全ての要素において絶対的な自信を持っていること。当時映像革命と謳われた前作の『アバター』(2009年)以上の映像が必ずスクリーンで待っていること、そしてそれは映画館だからこそ味わえる体験であること。続編として2はこれまで外してこなかったこと。続編という意味で、そしてこれまでのフィルモグラフィー明らかに普遍的な家族愛というものを全くことなるsfの世界でやってくるテーマになってくることなどを考えると見に行かない手はないと考える。1900円で得られる体感というものが間違いなく目の前にあると私は信じているし、そういった作品に対して「面白ければ」「興味が湧けば」というのはあまりにも損をしているし、最初から「前作もあれだったし面白さがわからないから見ない」という人は「面白さ」ではなく映像体験としてみに行くべきだと思う。(映画は映像で魅せるというものでもあるから)
はなから「つまらなそう」と決め、言っている人はそのまま観ないまま後悔するだろう。


1mmでも興味はあるけど迷っている人は、映画という媒体と現在における大作がどう言った価値をもつのかを今一度ど考え、今回の『アバター2』がどのような役割を果たすかを再考の上、是非劇場に足を運ぶほうに結論をおいてもらいたいと思う次第です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?