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壊れたガラス 眺めたまま
拾いも捨ても出来ないで
どことなく投げやりな心
通り過ぎてく ぼんやりと

昨日と同じ 昼の公園
おにぎりひとつ お茶ひとつ
用が済んだら早くいけ
空いたとなりが急かしてる

わかったよって 顔上げた
ボクの視界に飛び込んだ
冬の乾いた風纏い
空いたとなりを埋めた人

いつも見透かしたように
はしゃいで はにかんで
ボクの闇夜に陽を注ぐ
踊るように歌うように

出会った冬のベンチから
ずっと変わらず続いてる
キミの笑顔に照らされて
一緒に食べるお弁当


いつもと同じ 昼の公園
今日はキミがやってこない
また今日もキミ やってこない
キミで心が溺れそう

いくつも季節をまたいでも
ボクはなにも聞けなくて
キミはどこにいるのかな?
キミは何をしているの?

闇雲にゆく夜の街
キミの笑顔を探してる
最終電車に息切らせ
曇りガラスに目を閉じる

ボクを見透かすような
大きな瞳が恋しくて
春の日差しを失いそうで
無理な奇跡にすがってる

電車を降りて帰り道
いるはずがないキミを見た
初めて見つめたその背中
壊れるほどに痛かった


うしろ姿は偽れない
笑顔も涙も飾れない
ボクはすべてを知らされた
救えないほど馬鹿だった

ずっと前から知っていた
キミの名前がコダマした
今でもずっと響いてる
空いたとなりでキミの名が

いつものベンチお弁当
降り注ぐ日差し キミ
ありがとう

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