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”残念な線画”とはこれでおさらば!簡単な理屈で線に強弱をつけるポイント解説

線画ののっぺり感と何年も格闘してきたReLです。

あなたは強弱をつけて線を引くのは得意でしょうか?
僕は強弱をつけるポイントが分からなさすぎて苦労しました😂


ラフを描いた。
線画も描いた。
よしこれから色塗りだ!と意気込んだはいいものの。

いざラフのレイヤーを消して
線画だけにしてみると、そこには無慈悲にも
メリハリの無い残念な感じの線画だけが残ってて。

「か、神よ、なぜ…!」と頭を抱えたこと、
きっとあなたも一度や二度ではないはず…!

今ではこれくらいは描けるように。
だけど数年前は自分が描いた線画の前でまさにこんな顔をしていた件。


  • 線画のどこに強弱をつければいいのか分からない

  • 何も意識してないと線が全部同じ太さになる

  • 線画がのっぺりして全然見栄えがしない

  • カラーイラストでも線に強弱って必要なの?

などと思いながら、そんな僕でも
何年も描いてればポイントって見えてくるもので。

今回はイラストを描き始めてから数年間
線画のっぺりマンだった僕が経験の中でつかんできた、
線に強弱をつけるポイントについて解説します。٩( 'ω' )و


線の強弱はセンス??
いいえ、ちゃんと理屈があります。


あまりにも線の強弱の付け方がわからず、
「こればっかりはセンスが要るんじゃね?」
と思ってた時期が僕にもありました。

だけど実は線の強弱にはちゃんとした理屈があるんです。
決してセンスがないとできないわけではありません。

理屈を理解するためには、
まず線に強弱をつけることで
どんな効果があるのかを知る必要があります。


<<線を強く(=太く)することによる効果>>
 ・影を表現する
 ・印象を強める

<<線を弱く(=細く)することによる効果>>
 ・光が当たってる表現をする
 ・印象を弱める、軽くする



簡単に言えばこういうこと。
つまり線の強弱には↓の2つの役割があるんです。

・光と影の表現
・印象操作

特に印象操作の役割については
カラーイラストでも結構大事になってきます。
服なんかだと、線の太さによって
生地の軽い・重い、薄い・厚いなどの印象に影響してきますからね。


線の強弱が担う2つの役割と、
それによってもたらされる効果について解説しました。

この役割を頭に入れておくと、
これから解説するポイントをスムーズに理解できるはずです。


影を落とす。
印象を強める。
線を太くするポイントはここ!

・三叉路の鋭角側

線で三叉路ができるポイントというのは、
3つの”面”が重なってることが多いはず。

こういうところは
段差ができてる+光が入り込みにくいため
濃い影ができることが多いんです。

というわけで、線を太くして影を表現します。


・ちょっとした隙間部分

ぴっちり目の服と肌との間など、
ほんのちょっとだけ隙間がある部分。

光が入り込みにくいので、濃い影ができます。
ので、ここも線を太くするポイント。
凹凸も表現できていいですよ👍


・髪の分かれ目

理屈としては三叉路と似通ってます。

前髪の分かれ目なんかは下におでこがあるので
三叉路と全く同じ理屈で線が太くなります。

髪の下に更に髪がある場合も同じ理屈


・輪郭を強調したい部分

線を太くすることで印象を強くする使い方です。
代表的なのが顔の輪郭ですね。

顔の輪郭線、線の端や顎の頂点あたりは太くした方が
遠くから見ても顔の輪郭がわかりやすい

顔の表情そのものも大事なんですが、
どこまでが顔で、どこからが顔でないのか、
その境界がハッキリと分かることも
キャラクターイラストでは大事な要素。

なので顔の輪郭は特に強調するために
太い線で描かれることが多いんです。


その他、鎧などの硬いものを太い線で描いてみたり、
キャラクター全体の輪郭を強調したいときなんかにも太い線が活躍します。


軽くする。
明るくする。
線を細くするポイントはここ!

・長い直線やカーブの中央部分

光が当たりやすい部分なので、
線を細くして明るい感じを高めます。

また、印象操作的な意味でも
こういう部分は線を細くしたほうが
それ以外の部分とのメリハリが出て良い感じになります。


・密着してる部分

組んだ腕とかは、線を細くする、もしくは
あえて途切れさせることで”密着してる”表現ができます。
女の子の場合は手の指同士を密着させるように描くことも多いですね。

特に肌と肌、シャツとシャツなど、
同じ素材同士が密着してる場合は
色も同じはずなので、途中で線を途切れさせてしまっていいでしょう。


・細かい装飾

これは主に印象の話。

細かい装飾の場合は狭い範囲に線が集中するので、
周りと同じ太さで線を描いてしまうと
全体を見たときに印象が強くなってしまいます。

こういった場合は細い線で描き込むことで、
全体としての印象のバランスを取ることができます。


・毛先

わざわざ書くまでもなく意識できてそうな気はしますが、一応。
毛先は線を細くしたほうが自然な印象になります。


線の強弱にセンスは要らない。
理屈という武器を使いこなそう。


線の強弱が担う役割や理屈、
具体的なポイントについて解説しました。
いかがだったでしょうか。
簡単にまとめておきます。


線を太くするとどうなる?

  • 影を表現できる

  • 印象を強められる

どこを太くすればいい?

  • 三叉路の鋭角側

  • ちょっとした隙間部分

  • 髪の分かれ目

  • 輪郭を強調したい部分


線を細くするとどうなる?

  • 光を表現できる

  • 印象を弱められる、軽くできる

どこを細くすればいい?

  • 長い直線やカーブの中央部分

  • 密着してる部分

  • 細かい装飾

  • 毛先



イラストの上手い人がたまにTwitterやpixivで
「塗り絵です」とか言って
線画だけの状態のイラストを上げてることがあります。

なんかもう線画の時点で既にメリハリが効いた
素敵なイラストばかりですよね。

こういう人達の線画を見ると

「線の強弱って感覚やセンスでつけてるのかなぁ…」
「自分には真似できそうにないなぁ…」

なんて思うかもしれませんが、実は違います。
本当に感覚やセンスでやってる人もいるかも知れませんが、
この記事で解説したように、そこにはしっかりとした理屈があるんです。


理屈やポイントをしっかりと理解すれば、
センスなんか無くても線画に強弱をつけられるようになります。

線画に強弱がつくと、実は色も塗りやすくなるんですよね。
他人が描いた線画に色を塗ったことがあれば分かるはず。

この記事で解説したことを理解して
線画の”のっぺり感”からは卒業しましょう!😉


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