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秩父小唄 (藤本二三吉)。

二三吉、すなわち藤本二三吉の歌う「秩父小唄」。永井白眉作詞、中山晋平作曲で、昭和初期に盛んに書かれたご当地ソングの一曲です。埼玉県西部に位置する秩父市は、荒川の上流の位置する盆地であり、長瀞方面から奥地にある大滝村まで秩父鉄道が延びて一時期までセメントの輸送が行われました。また戦後には西武線も延伸して都心とのアクセスが更に便利になり、毎年暮れの秩父夜祭は相当な観光客で賑わう程。同市内には幾つもの小さな札所や温泉が存在し、雄大な山肌の武甲山が聳える秩父は今も奥座敷として栄ているのです。其の秩父には古くから「秩父音頭」と云う曲があるのですが、其の後継曲として生まれたのが此の「秩父小唄」です。レコードは昭和4年の末に発売されました🎼。

「秩父小唄」は陰旋法で書かれたスローテンポのメロディで、三味線や小鼓、笛などの和楽器で演奏されており、計8番から成る歌詞を両面に分けて吹き込んでおります。作詞の永井白眉は同じ中山晋平作曲の「十日町小唄」も担当しているので、水入らずの組み合わせでした。歌詞では長瀞の舟下り、札所巡り、武甲山、隣接する横瀬町の農村、機織りなどが歌い込まれ、A面を二三吉、B面を地元秩父の芸者衆が歌っています。私が秩父へ行ったのは30年前でしょうか、当時はセメント輸送で大いに賑わっており、秩父駅には輸送貨車が何輌と連なっていました。其の翌年、先にある大滝村からは山梨県境のトンネルが開通し、利便性が上昇したとか。いつかバイクで走りに行きたいと思っております😀

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