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命かけて只一度 (奥田良三)。

奥田良三の歌う「命かけて只一度」。葉巻逸雄作詞、ウェルナー・リヒャルト・ハイマン作曲で、ドイツ映画の傑作「会議は踊る」の主題歌です。19世紀初頭のウィーン、ナポレオンが失脚した後各国の首脳らが集まって会議が開催されますが、それぞれの思惑が幅を利かせて中々纏まらず、ある大臣が「会議は踊る、されど進まず」と嘆いたのは有名な話。その際に訪れたロシア皇帝と、街のブティックの娘さんとの束の間の夢の様な恋を描いたのが此の「会議は踊る」でした。エリック・シャレル監督で、出演はリリアン・ハーヴェイ、ウィリー・フリッチ、コンラート・ファイトなど。1930年にドイツで公開され、日本では東和商事が輸入に動くも、割高な購入費を請求された為に話は立ち消えに。その後ドイツ側から安価で売り込みがなされ、昭和9年に日本公開となりました🎞️。

「命かけて只一度」=「ただ一度の恋」は、劇中にて皇帝の使者に招かれたヒロインが馬車で赴くシーンで使用され、沿道の人達が花を投げて幸せ一杯な彼女を祝福します。乙女心の憧れやドギマギする心境がメロディに込められており、サビの🎵命かけて只一度、明日は消ゆる夢…の箇所には“私は本当に幸せ…でも信じて良いのだろう…”と云った戸惑いを感じます。奥田盤はベルリンで録音され、リリアンの歌うバージョンよりも躍動感ある編曲となっており、伴奏はパウル・ゴッドウィン管弦楽団が務めました。伸びやかで美しく凛々しいバリトンで歌われ、当初は洋盤でリリース。そして映画の日本公開に合わせて通常盤として発売されて、映画共々大ヒットを記録しました。裏面は劇中で盛んに流れた「歌あればこそ世は楽しい」が組まれており、こちらは胸弾む行進曲となっています😀。

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