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ラヂオ體操の歌 (内田榮一)。

今年も8月が終わります。それは同時に『夏休み』と云う、子供達にとっての夢の日々の終焉でもあります。さてそんな夏休みの風物詩が子供らを対象にした朝のラヂオ体操。毎朝六時半に近所の空地や公園にカード持参で駆けつけ、体操後に印を押して貰うのが子供の頃の夏の日課でした。ラヂオ体操が東京中央放送局からの電波に乗って始まったのが、100年近く前の昭和3年11月1日朝7時の事。昭和天皇御即位の御大典記念事業の一環として企画され、当初は『国民保険体操』として発表されました。それが戦争を挟んで令和の今日も継続されており、オープニングに流れるテーマ曲も幾つか存在しておりますが、その記念すべき第一号が内田榮一の歌う『ラヂオ體操の歌』。ラヂオ體操の会が公募した歌詞の中から選ばれたのが小川孝敏の作品で、これに堀内敬三が曲を付けました🎼。

此の歌は時代故に勇壮にして堂々たる行進曲になっており、ドラムやブラス陣が引き締まったサウンドを出しております。前半は内田のソロ、後半は合唱となっていて健全で覚え易い歌に仕上がりました。歌手の内田榮一(1901〜1985)は京都府出身で、戦前はヴォーカルフォア合唱団を主催し、戦争中は「月月火水木金金」が大ヒット。戦後も声楽界の大御所として君臨しましたが、デビュー時は映画主題歌やジャズソングなどを多く歌い、それこそメジャーからマイナーレーベルまで幅広く活躍しました。裏面はラジオ体操の初代司会者である江木理一による号令と掛け声が収録されておりますが、彼は軍隊出身だった事もあってか、当初は極めて厳つい口調でした。其の為放送局には聴衆からの苦情が殺到し、口調を優しく改めたのは有名な話。レコードは昭和6年夏の発売です😀。



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