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そよかぜ (霧島昇・並木路子)。

今日は78回目の終戦記念日です。太平洋戦争を含め、多くの人命を奪った第二次世界大戦の終結した日でもあり、欧亜双方地球の半数近くの地域が戦場となって、余りに多数の国と人間が参加した人類史上最大規模の戦争は漸く終わりを告げました。日本の都市の殆どが空襲を受けており、街中にはその日一日生きる為に必死の人々が渦巻いていました。終戦の年の秋頃、焼け跡の蓄音機やラジオから久々に新曲が流れて来て、人々は耳を傾けて口ずさみ出します。それこそが並木路子と霧島昇の歌う「リンゴの唄」で、やや甲高い感じながら力強い並木の歌唱は戦争に疲弊した人々心に染み入り、その後何十年と歌われていきました。此の歌は映画主題歌であり、そのタイトルは「そよかぜ」。今夜は敢えて有名な主題歌の方ではなく、裏に組まれた同名主題歌を挙げてみたいと思います🎼。

松竹映画「そよかぜ」は元々戦争末期に計画されていた映画で、並木路子自らが主演。佐々木康監督がメガホンを取り、キャストは他に上原謙、佐野周二、三浦光子の他、霧島昇や二葉あき子も出ていたとか。1時間程度の短編映画で、並木は裏方から歌手になって活躍すると云う物語でした。映画同名主題歌はサトウハチロー作詞、仁木他喜雄作曲で、2番構成のスロータンゴ。1番を霧島、2番を並木が歌い、共唱パートはありません。弦楽によるイントロと前奏の後で歌に入り、両人は格調高い歌唱でマイクに向かいましたが、特に並木は声楽家張りの凛々しいアルトです。此の「そよかぜ」は長い冬の嵐が去り、漸く訪れた春の息吹と暖かさを感じる歌であり、メインの「リンゴの唄」とは違う良さを感じます。レコは昭和20年暮れに発売されて、戦後の大ヒット曲第一号となりました😀。

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