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実際嫌ひ (三浦時子・橘薫)。

三浦時子と橘薫の歌う『実際嫌ひ』。白井鐵造作詞、竹内平吉編曲で、宝塚レビュー「ローズ・パリ」の挿入歌の一つです。「パリゼット」「セニョリータ」と立て続けに発表し、宝塚随一の劇作家となったのが白井鐵造。その彼が昭和6年に放ったのが、此れまたオサレで画期的な演目「ローズ・パリ」で、同名の主題歌をはじめとして10曲が吹き込まれています。資料によれば、物語の主人公のポールは田舎の教師ですが、歌手になる事を夢見ています。そして恋人であるフロッシーを置いてパリへと旅立ち、其処では美しい歌姫クララに惚れるのですが程なく袖にされた後で、セーヌの辺りで追って来たフロッシーと再会。二人は再び愛を確かめ合い、最後には結ばれると云う内容です。全20場構成で、有名な銀橋も此の時に登場。白井の手腕で宝塚は更なる躍進を遂げるのでした⭐️。

「実際嫌ひ」は、第7場にて使用されており、劇中で頻繁に登場するジャン&ジャンヌが陽気に歌います。此の二人を演じたのが三浦時子&橘薫でして、劇中では他に「南の島の土人の唄」「世界漫遊」を歌いました。二番構成の流れる様な陽気なメロディ、Aパートはそれぞれがソロで歌いサビにて二人がハモっております。原曲名は不明ですが、おそらくはフランスの流行歌で間違いないでしょう。「実際嫌い」とは何だか厳つい変なタイトルですが、二人が「パリゼット」にて披露した挿入歌「ディガディガ・ドゥ」の歌詞にある♪私もあの子が実際好き…から流用したものと思われます。歌詞は恋人同士が双方を散々貶しておきながら、最後は『と言うのは人前だけ、本当は好き』とひっくり返しており、素直でない男女の仲が面白おかしく描かれていました。レコードは昭和6年夏の発売です😀。

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