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歴史事典アーカイブ:閃きをあなたに

歴史学の独立研究者が運営しています。専門家の研究書等を用いて、歴史のより確かな知識と魅力をしっかり紹介します。ウェブ上のコスパよい歴史事典アーカイブの構築を目指しています。月額5…
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#フランス

(定期購読)アルビジョワ十字軍(1209−29):異端への十字軍がもたらしたものとは?

 アルビジョワ十字軍は、1209−29年に異端とみなされたアルビジョワ派に対して南フランスに派遣された十字軍。十字軍といえばイスラム教徒を敵とみなして聖地を奪還する第一回十字軍が有名である。しかし、十字軍は同じキリスト教徒の異端勢力にたいしても派遣されたのである。このアルビジョワ十字軍の背景と展開、意義や影響を説明する。 アルビジョワ十字軍の背景 アルビジョワ派(カタリ派)とは  12世紀半ばあたりから、アルビジョワ派が活動を始めた。彼らは地域によって名称が異なり、カタリ

(定期購読)ナポレオン・ボナパルト3世

 ナポレオン・ボナパルト3世は19世紀フランスの大統領で皇帝(1808ー1873)。ルイ・ナポレオンとも呼ばれた。フランス第二共和政においては、著述活動などを通して支持を獲得し、大統領に選ばれた (1850ー1852)。クーデターによって帝政を誕生させ、皇帝に即位した (1852 ー1870)。  20年間の治世では、フランスの経済発展やインフラの近代化、クリミア戦争やイタリア統一戦争への関与などを行った。以下では、ナポレオン3世と日本の関係についてもみていく。 ナポレオン

(定期購読)ジュール・マザラン:フランス絶対王政を打ち立てたイタリア人

 ジュール・マザランはフランスで活躍した政治家(1602ー1661)。リシュリューとともに、フランスの絶対王政の確立に貢献した。宰相として莫大な財産を築き、宝石などの圧巻のコレクターとなった。とはいえ、もともとはイタリア人として生まれた。ではマザランはどのようにしてフランスの宰相にまで昇りつめ、栄華を極めたのか。 マザラン(Jules Mazarin)の生涯  マザランはイタリアで貴族の家庭に生まれた。父がローマ教皇庁の官吏だったので、マザランも当初は教皇庁に仕えるという

(定期購読)モリエール:フランス絶対王政下の喜劇

 モリエールはフランスの劇作家(1622 ー1673)。17世紀のフランス絶対王政の時代に、太陽王ルイ14世の庇護下で活躍した。モリエール自身は作家、俳優、演出家、座長を兼ねた。特に喜劇で革新的な役割を果たしたことで知られる。それまで悲劇と比べて格が低いとみなされていた喜劇の格を引き上げるのに貢献した。代表作には、『タルチュフ』や『町人貴族』などがある。 モリエール(Molière)の生涯 モリエールはフランスのパリで富裕な職人の家庭に生まれた。本名はジャン・バチスト・ポク