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【音楽感想】元吹部&現役音楽ライターが「ウインドボーイズ!」の配信曲を聴いてみた!

「ウインドボーイズ!」の配信楽曲の感想を書き記します!

こんにちは。
「ウインドボーイズ!」に激ハマり中のWebライター・勝哉エイミカといいます。

先日、ついに「ウインドボーイズ!」の作中楽曲の配信が行われましたね!

試聴動画の時点で何度も繰り返し聴いてしまう程に好きだっただけに、フル版の配信は本当に待ち遠しくって、配信日早々に聴いては、それ以降リピート再生が止まらない日々を過ごしております。

暇さえあれば、ずっと聴いてしまってます笑

というわけで、今回はそんなリピートの止まない「ウインドボーイズ!」の配信楽曲達への感想を書いていこうと思います!

しがないWebライターの感想ではありますが、「ウインドボーイズ!」好きなそこの先生方、よければ最後までお付き合いしてあげてください!

Brand New WIND

いわずとしれた、「ウインドボーイズ!」のテーマソング
アプリのCMだったりゲーム内だったり、至るところで流されていますね。

とはいえ、1番2番といったような起承転結がしっかりと形成されているフルバージョンが公開されるのは、今回の配信が初!

試聴動画の時点では、聴いたことのないフレーズに到達した瞬間に、波が引くように音がミュートされ、次のトラックに移ってしまった為、この聴いたことのないフレーズが一体どんな光景を見せてくれるのか楽しみで仕方がなかった1作でもあります!

そんなわけで聴き始めから期待大の1作だったのですが、正直、出だしから凄い!

何が凄いって、聴くだけでそれを演奏している生徒達の姿が頭の中に浮かぶのです!

たとえば、1番Aメロの主旋律を担当している木管パート。途中で、担当する楽器が入れ替わる形でメロディーが紡がれていくわけですが、この切替のタイミングで「あ、今、楽器おろしたな」と瞬時に想像できる音の引き方をしているのです。

吹部経験者の先生にはわかる感覚だと思うのですが、吹部って自分のパートの譜面がない時や譜めくりをするタイミングで、楽器を一度膝上におろすんですよね。

そんな吹奏楽部あるあるなシーンを、音だけで想像させられるこの威力!
こんな凄い事ありますか!?

そして試聴動画にて、少しだけ流された聴いたこともないフレーズから続く2番
この2番がまた面白い!

1番は明るい印象を抱く出だしだったのに対し、2番はもっとしっとりとした、どこかほんのり暗い空気も持ち合わせた雰囲気の曲調に様変わり。

これは1番の終わりの伸ばしの音が、下がり過ぎず、かといって高すぎず、という中音辺りを行くような構成で吹かれてるが故の印象のように思いました。
1番の明るさを引き継ぎつつ、2番独自の雰囲気を見せてくる構成からは、聴き手を飽きさせない巧みな物語性を感じざるを得ません。

そして、ラストに向かって盛り上がっていく旋律。

終盤一度音を引いて、静かになったかと思えば徐々に盛り上がりを見せ、最後は明るくポップに終わる流れは、まるで本作がテーマとなっている「ウインドボーイズ!」に待ち受ける未来が、明るく華々しいものである事を告げているかのような印象を抱きました。

また、どんな問題・困難にも打ち勝ち、前に進んでいこうとする生徒達の姿を体現しているようにも感じられ、思わず涙腺が……。

なお、本楽曲のタイトル「Brand New WIND」は、日本語に訳すと「真新しい風」という意味になるようです。

意味を知ると、元強豪校の威吹高等学校吹奏楽部が、0からのスタートを切る事になる「ウインドボーイズ!」の物語に寄り添うに、これ以上ないタイトルのように感じられますね。

新たに生まれ変わった威吹高等学校吹奏楽部が、一体どのようなを吹奏楽部の世界に吹かせていくのか。

彼らの未来に期待せずにはいられないテーマソングでした!

威風堂々

1章新入生歓迎会にて披露された楽曲。

1年生だけの、それもたった4人(楽器)だけの編成で演奏されたこの楽曲、当然楽曲内で使用されている楽器も、本編の彼らと同じものとなっています。

その為、音の圧、濃さで言ったら、配信楽曲中で1番薄い1作となってしまっているのですが……、しかしその迫力は他楽曲にも負けず劣らず!

たった4パートという少ない編成で、出せる最大限のハモリや伴奏、裏メロが至るところに盛り込まれており、それにより楽器数は少ないものの様々な「音」を味わえる、いうなれば「音の重箱」みたいな印象を抱く楽曲に仕上がっています。

そして何より、本作で一際輝きを放っていたのが、トランペット
本編に合わせて言うならば、ミナトくんのパートですね!

1番は主旋律を担当しているトランペットですが、2番以降は基本的に裏メロを担当しているらしい様が伺えます。

この裏メロが凄く、耳に強く残るのです!

主旋律比べて吹く音が1つ1つ短い故の印象もあると思いますが、裏メロのトランペットは非常に軽快な音を鳴らしてくれます。
その旋律はなんだか、嬉しそうに辺りを飛び跳ねたり、楽しそうに遊び駆け回る子どものような印象を抱きます。

ラスト40秒あたりで入り込んでくるトランペットのフレーズなんかは、本当にその良い例です。
楽曲を明るく装飾してくれているのはもちろんの事、ミナトくん自身の「演奏が楽しい」「誰かと一緒に吹ける事が嬉しい」という気持ちが乗って吹かれているかのような、想いが伝わるフレーズとなっているように感じました。

とはいえ、だからといって他のメンバーのパートが負けてるというわけでもなく。
どのパートにも必ず一度はメロディーラインを担当する瞬間があったりと、1つ1つのパートが大事に扱われている構成である事が伺える描写が多く存在する楽曲にもなっています。

各パートが持つ吹奏楽における「役割」をしっかりと果たしているフレーズも多く、4人で出来る最大限の演奏が詰め込まれた楽曲内容に、思わずうるっとくる1作でした!

ふるさと

2章「多良川フェスタ」にて演奏された楽曲。

「ふるさと」自体は日本人ならば誰もが知るであろう、有名楽曲ですね。
自身の故郷に思いを馳せる、ノスタルジックな空気を持った郷愁ソングです。

そんな郷愁ソングの威吹高等学校吹奏楽部版となった本作。
ゆったりとした穏やかな印象がある、美しいバラードソングに仕上がっています。

しかし本作の真髄は、楽曲後半に見せる盛り上がりにあります!

パーカッションの音を存分に使い、徐々に音に厚みをつけ、その盛り上がりの到達点でシンバルを鳴らし、楽曲の雰囲気を一気に壮大なものに様変わりさせてくる、楽曲後半。
本章で新たに仲間入りをしたパーカッションパートが居たからこそできた演出だといえるでしょう。

また低音が加わった事で、音に全体的な安定感が生まれている事も本作を語る上で外せない魅力の1つでしょう。

しっかりとした安定があるからこそ、後半の壮大な音を作り出せているといっても過言ではない筈!
やはり土台がしっかりしているからこそ、広大で豊かな音作りというのは出来る筈ですからね!!

これまでの章ならばできなかった多量の演出。
思わず「ウインドボーイズ!」という物語の展開を思い返してしまう楽曲構成に、故郷に思いを馳せ、懐かしむ「ふるさと」の歌の主人公のような心地を味わってしまいました笑

SUNNY DAY

3章の「風と緑の楽都音楽祭」にて演奏された楽曲。
威吹高等学校吹奏楽部の「伝統曲」としても登場した楽曲ですね。

本作の魅力は、なんといっても音の圧
まだまだ足りないパートはいくつかありますが、ほとんどのパートが揃い、人数もこれまでの倍になった3章だからこそ生まれる音の圧に、「ウインドボーイズ!」をプレイする先生方ならば、うるっとくる1作になっているのではないでしょうか?

そもそも本楽曲は威吹高等学校吹奏楽部の「伝統曲」です。
これまで大人数で活動してきた吹奏楽部の伝統曲を吹くという事は、その事実だけで、それなりのパート数が揃ったという証拠に他なりません。

「威風堂々」、「ふるさと」の頃よりも格段に音が増え、より吹奏楽部らしい演奏を行えるようになった事がわかる曲調には、先生(プレイヤー)としては、「ここまで来たのか~!」という、一種の達成感・感動に近しいものを感じてしまいます。

また本作の面白い点として、金管楽器・木管楽器・パーカッション、その全てに主役になる瞬間が存在するという部分が挙げられます。

最初の旋律を木管が、次を金管が、木管が、金管がと繰り返すように続いた後に入るパーカッションパート。
吹奏楽部の曲としては、あるあるな構成かもしれませんが、しかし全く楽器がいなかった威吹高等学校吹奏楽部初期を考えると、「吹奏楽部に必要なパート全員が主役となるフレーズのある楽曲」を吹けるようになった事自体が、非常に凄い事だといえます。

今まで出来なかった事が出来るようになる、というのは生徒達からしたらそれだけで嬉しく、楽しくなれる事でしょう。
加え、本楽曲自体がポップな1曲となっているので、楽しい気持ちを加速してくれるものがあります。
思わずミナトくんが、楽しさからソロを奪って吹いてしまった気持ちもわからなくもないかも……。

と言ったら、空里くんの逆鱗に触れそうですけどね。
でもそれぐらいに、楽しく、そして威吹高等学校吹奏楽部の変化を感じられる1作だという事なんですよ!

Go With the flow

4章のジャズイベントにて演奏された曲。

本楽曲のジャンルは、言わずもがな「ジャズ」です。

その為、「吹奏楽部」の為に作られた他の楽曲達と比べると、異彩を放つ1作となっています。

聴きどころは、なんといってもサックスパート
4章のシナリオ内前半において、メインとなるパートですね!

特に出だしの金管が奏でる伴奏に、アルトが主旋律として加わり、それに引っ張られるようにテナーが全く異なる旋律と共に加わるイントロは、ジャズ特有の作風が感じられました。

作中でも語られていますが、相手のアレンジにどう乗っかっていくかがジャズ、特にジャズセッションと呼ばれるジャズの演奏形式では大事になってきます。
異なる旋律同士が絡み合い、互いをひっぱり合うようにリードしていくこのイントロのサックス達は、そんなジャズならではの醍醐味が最大限に演出されたイントロだといえるでしょう。

特に2番に入ってからのサックスパートの旋律は、「遊び感」が非常に強く
、「これぞジャズの醍醐味!」感が凄いです!
ソロパートなんかも登場してくるので、楽曲全体の「遊び感」がより表現され、いっそう本楽曲のジャズ感を深めているといえます。

しかし同時に単なるジャズの楽曲とは異なり、きちんと1音1音ずつ音の意味を考え、その意味に沿った演奏をしているような印象も抱きました。
特にサビのフレーズにて、高音パートが皆して同じメロディーを奏でている辺りなど、吹奏楽特有の「合わせる」が活きた演出のように感じました。

1つの楽曲を、皆で話し合い、感覚をすり合わせ、1つの曲として仕上げる。そんな吹奏楽部特有の合わせの面影が垣間見れるフレーズには、これが「吹奏楽部のジャズ」なんだな、という事を強く意識させられるものがあります。

吹奏楽部とジャズ、2つのジャンルの特徴が融合し、生まれた奇跡のジャズソングだといえるかも……!?

にしても、なんでサックスってあんなに音に色気が溢れてるんでしょうね。
アダルティックかつスマートなお洒落さも兼ね備えたサックスパートの音には、思わず心酔いしれる色気を感じざるを得ません。

これが本編でにて真秀くんが言っていた、「大人セクシー」というやつなんでしょうな……。ん~、セクシィ~……。

マーチ「新しき船出」

5章の中日コンクールにて演奏がされた楽曲。
「ウインドボーイズ!」内における、中日コンクールの課題曲でもあります。

本楽曲はこれまでのどの配信楽曲と比べても、一番吹奏楽部らしさが溢れる楽曲だといえるでしょう。
今までの章の中で一番人数が多い、現状の最大人数で奏でられる本作は、音の厚みも演奏されている旋律の種類・数も格段に増え、テーマソング「Brand New WIND」にも負けず劣らずの迫力を持つ仕上がりになっています。

また、様々なパートが代わる代わる奏でる主旋律は、担当するパートが変わる毎に各パートの奏でる音域や音質が上手く活かされたものとなっており、それ故、楽器毎に異なる作品の顔を味わえ、まるで長編映画でも見ているかのような展開の転がりように、耳を奪われる1作となっています。

そして何より、やはり先生(プレイヤー)としては、これだけ音が揃ったのだという事実に涙せざるを得ない構成だといえるでしょう!

また本作は「マーチ」と呼ばれる楽曲、つまり日本語で言うところの「行進曲」に当てはまる楽曲となっています。

前に向かって進み歩く「行進」を行う為に作られる「行進曲」。
それを威吹高等学校吹奏楽部が抱える問題が(ひとまず)一段落し、「さぁ、ここからが本番だ!」「気合いれていくぞー!」と、皆が奮起するタイミングで持ってくる物語の展開、選曲センスには驚きと感心しかありません。

しかも、その曲名が「新しき船出」ときたもので。

今集められるメンバーが全揃いし、「全国金賞」の目標を胸に進み始めた5章に持ってくる曲名にしては、タイトルセンス良すぎでは……!?

これまでの「ウインドボーイズ!」の展開、そしてそのひとまずの締めである5章にて演奏されたからこそ、より味わい深さを感じられる楽曲だといえるのではないでしょうか!

まとめ

以上、「ウインドボーイズ!」の配信楽曲への感想でした。

本当、どの曲も味わい深いといいますか、物語の展開に寄り添い作られている事がわかる中身に涙せざるを得ません。
有名な楽曲達ですら、「ウインドボーイズ!」の物語・世界観を感じる1作にアレンジされているのですから、作曲家さんの手腕にはびっくりですね……!

そういえば作曲家さんといえば、楽曲制作・アレンジを担当した作曲家の坂本英城さんは、同じDMM GAMES内にて『文豪とアルケミスト』の楽曲制作も担当している方だそうですね。

『文豪とアルケミスト』に関しては、私自身、BGMに惚れた事がきっかけでプレイを始めたゲームだったりするので、この事実を知った時は非常に興奮してしまいました笑
他にも『殺戮の天使(アニメ)』『龍が如く』シリーズでの楽曲も制作していらっしゃるとか……超有名人過ぎる……

今後、どのような「ウインドボーイズ!」の楽曲が生み出されていくのか、今からもう楽しみで仕方ありませんね!
物語の展開共々、期待大です!!

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